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健康も重視する建築へ

省エネ適判が対象となった最近のプロジェクトではどのようなものがありますか。

 最近の例では、2019年4月に運用を始めた山口県にある「梅光学院大学 The Learning Station CROSSLIGHT」を設計しました。細長い敷地に対して45度回転させた複数のグリッド上に空間を配置したプランです。教室同士がひとつながりの空間に7つのトップライトがあります。光や換気のシミュレーションをして、一日を通して直射が入らず、しかも自然光で明るい空間を設計しました。トップライトを使った自然換気システムも導入しました。

 梅光学院大学もそうでしたが、省エネや環境に対するクライアントの意識やニーズは確実に高まっています。特に企業などは、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)によって企業が評価されるESG投資や、SDGs(持続可能な開発目標)といった観点から、建築の環境をますます重視するようになってきました。オフィスの場合、19年に設けられた「CASBEE-ウェルネスオフィス(WO)」が注目されています。

 それらに共通するのは、これまでのような数値的な省エネ性能だけでなく、健康や知的生産性などトータルに建築を取り巻く環境を高めていこうという流れです。省エネ建築が本質的な方向に向かい始めており、設計者にとっても大きなチャンスだととらえています。

意匠・プランと融合した設計で省エネ適判
意匠・プランと融合した設計で省エネ適判
(写真:諸石 信)
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(写真:諸石 信)
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(写真:諸石 信)
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細長い敷地に対して角度を45度振ったグリッド上に空間を配置したプランの大学校舎。廊下と教室の概念をなくし、仕切りのないひとつながりの空間とした。トップライトからの自然光で明るさを確保しながら、1日を通したシミュレーションによって、教室となるスペースには直射が入らないようコントロールしている。7つのトップライトなどを生かした自然換気システムも実現した。省エネ適判を受けている(写真:諸石 信)
【梅光学院大学 The Learning Station CROSS LIGHT】所在地/山口県下関市向洋町主用途/大学 構造/鉄骨造 階数/地上3階 敷地面積/1万7876.52m2 建築面積/1990.09m2 延べ面積/3873.5 m2 発注者/梅光学院 設計・監理者/小堀哲夫建築設計事務所 施工者/清水建設 施工期間/2018年4月〜19年3月 開館日/2019年4月1日
断面図(資料:小堀哲夫建築設計事務所)
断面図(資料:小堀哲夫建築設計事務所)
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