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 省エネ基準適合義務の対象となる建築物では、確認申請までに設備仕様を決定しておかなければならない。省エネ計算に設備の仕様を入力する必要があるからだ。設計に際し、これまでとは異なるスケジュール管理などの対応が欠かせない。

伊藤 教子|Noriko Ito 首都大学東京大学院都市環境科学研究科建築学域博士課程修了。設備設計一級建築士。現在はZO設計室取締役、室長。多種多様な建築の環境設計・設備設計を手掛ける。共著で「設備設計スタンダード図集」(オーム社)、「クリマデザイン:新しい環境文化のかたち」(鹿島出版会)などがある
伊藤 教子|Noriko Ito 首都大学東京大学院都市環境科学研究科建築学域博士課程修了。設備設計一級建築士。現在はZO設計室取締役、室長。多種多様な建築の環境設計・設備設計を手掛ける。共著で「設備設計スタンダード図集」(オーム社)、「クリマデザイン:新しい環境文化のかたち」(鹿島出版会)などがある
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2017年以降、省エネ適合性判定(省エネ適判)の対象となる建築物に多く携わっていると聞きました。その際、何に気を付けていますか。

 関係者に注意を促してきたのは工事中の変更です。現場で断熱材や設備の仕様を変更したことにより省エネ計画の再提出が必要になることもあります。再提出が不要な「軽微な変更※」の中でも適判機関などへの手続きが求められる「ルートC」は時間とコストがかかり、工程にも影響を与える可能性が出てきます。開口部を大きくするなど、外皮性能が低下する変更は注意が必要です。

※ 軽微な変更  ルートA:省エネ性能が向上する変更  ルートB:一定範囲内で省エネ性能が減少する変更  ルートC:再計算によって基準適合が明らかな変更  (詳しくはこちら