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折板屋根に600枚のモジュール

 およそ600枚のモジュールを並べた太陽光発電パネルは、トリナ・ソーラー・ジャパン(東京・港)の製品を採用した。太陽電池モジュールの出荷量の累計が世界中で50GWという実績や、コストパフォーマンス、アフターケアなどを総合的に勘案して選んだという。工事は、既存の折板屋根の凸部にパネル用金具を設置したうえでモジュールを取り付けた。

 設置に際しては、法的な手続きを2つ要した。まず蓄電池盤が海老名市火災予防条例の第44条に該当するため、「火災の発生のおそれのある設備等設置届出書」を所轄消防署に提出した。蓄電システム設置完了後に検査を受けて承認を得ている。

 また50kW以上のパワコンを設置して運用する場合には自家用電気工作物扱いとなる。そこで経済産業省(関東東北産業保安監督部)に、電気主任技術者の選任と保安規程に関する届け出をした。

(a)
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太陽光発電パネルの屋根設置工事。折板屋根にクランプを取り付け(a)、防水シリコンを施工する(b)。直流延長ケーブルを配した(c)後に、太陽光モジュールを設置する(d)(写真:福山)

 19年5月に蓄電システムを設置して以降、海老名工場の電気代は45%減った。「これまでも使用電力をピークカットする取り組みをしてきたが、さらに空調設備の更新、太陽光発電の導入、蓄電池を用いたピークカットによる電気基本料金の削減という3つを組み合わせた効果だ。海老名工場での運用を通してシステムの精度を高め、他社への提案に結び付けていきたい」と若竹氏は話す。

 海老名工場の蓄電システムの運用データは可視化し、事務棟入り口に置いたパネルなどで表示している。その日の太陽光による発電量、工場内設備の電力使用量や蓄電池の充電量、買電量の変化などをグラフ化した。詳しくない人が見ても、太陽光発電の利用状況が直感的に分かるような見せ方を工夫している。

 「20年7月のように雨天が続いたときも、気温がそれほど上がらないために空調の使用量も減っていた。発電量と使用量がいずれも下がるため、電力使用量に対する太陽光発電の比率は他の月とそれほど変わらなかった」(若竹氏)といった状況分析を容易にできたのも、見える化の効果だ。

見える化の画面。ホーム画面で太陽光発電、蓄電池、パワコン、使用設備などの関係を示している(図:YAMABISHI)
見える化の画面。ホーム画面で太陽光発電、蓄電池、パワコン、使用設備などの関係を示している(図:YAMABISHI)
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エコグラフでは、太陽光発電と蓄電池の利用内訳、買電との比率などが直感的に分かるように図示(図:YAMABISHI)
エコグラフでは、太陽光発電と蓄電池の利用内訳、買電との比率などが直感的に分かるように図示(図:YAMABISHI)
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YAMABISHI営業部の若竹勇希東京営業所サブヘッド(写真:守山 久子)
YAMABISHI営業部の若竹勇希東京営業所サブヘッド(写真:守山 久子)

建築概要
YAMABISHI海老名工場

  • 所在地:神奈川県海老名市
  • 構造・階数:鉄骨造・地上2階建て
  • 延べ面積:1398m2(工場棟)、839m2(事務棟)
  • 発注者:YAMABISHI
  • 完成:2019年5月(太陽光発電システムの設置)
■変更履歴
取材先の申し入れにより、2ページ第4段落の「電気代は10%以上減った」を「電気代は45%減った」に訂正しました。本文は修正済みです。

[2020/10/19 19:00]