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遠隔監視で維持管理

2020年3月に稼働して半年以上たちました。利用者の声はいかがですか。

勝間氏:夏でも直射日光が車に当たらず、車の温度が上がらない点は社員からも好評です。一方、雨天時に屋根材となるパネル間に設けた隙間から雨が漏れてくるのが改善点と言えます。

坂田氏:地震の揺れ対策で、パネル間にはクリアランスを設けています。設計時に配慮はしていたのですが、車への乗り降りで人が立つ場所がちょうどこのパネルの隙間と重なってしまうと、雨が落ちてくるのが気になります。こうした場所を対象に、雨受け材の設置といった対策を検討しているところです。

日常の維持管理はどのようにしているのでしょうか。

勝間氏:パネル表面の清掃は特にしていません。オムロン フィールドエンジニアリングのオペレーション&メンテナンスサービスを導入しているので、遠隔監視で発電量を常にチェックし、発電していないパネルが生じたらすぐ対応できる体制になっています。

近年は大きな台風による被害も聞きますが、飛来物によって損傷したことなどはないのでしょうか。

勝間氏:今のところそうした状況は発生していません。

渡辺和嗣氏(オムロン フィールドエンジニアリングコンストラクション本部EM設計施工部):仮に物が飛んできて当たったとしても、パネルにヒビが入る程度でガラスが粉々にはならないようになっています。

駐車スペース14台分を配置したカーポート。合わせガラス状の太陽光発電パネルを載せている(写真:村田製作所)
駐車スペース14台分を配置したカーポート。合わせガラス状の太陽光発電パネルを載せている(写真:村田製作所)
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村田製作所としては今後太陽光発電システムの展開をどのように考えているのでしょうか。

勝間氏:岡山以外の自社グループ工場でも多数の駐車場を有しているので、これらでの再エネ利用の拡大を視野に入れています。建物の屋根上に置くタイプも検討の対象になります。既に京都府長岡京市の本社ビルでも屋根に太陽光発電システムを設置しています。

 新築は、これからは太陽光発電システムの導入を前提に考えていくことになるでしょう。今後は自家消費に重点を置くことになります。

坂田氏:再生可能エネルギーの活用は、気候変動への対応として我々にとって重要課題の1つです。ESG投資などに関する第三者評価機関の評価も得ながら、顧客にも再エネを提案していきます。