前田建設工業ICI総合センターICIラボ(茨城県取手市)の中核施設に当たる「エクスチェンジ棟」では、自然エネルギーを活用しながら高い環境性能を実現した。前編に引き続き、施設の特徴と計画の狙いについて関係者が語る。
「エクスチェンジ棟」のあるICI総合センターICIラボはどういう施設ですか。
綱川隆司氏(前田建設工業建築事業本部ソリューション推進設計部BIMマネージメントセンターセンター長) 当社の100周年記念事業として2019年2月に開設しました。いわゆる技術研究所の機能を備えた施設ですが、ベンチャー企業をはじめとする「共創パートナー」と一緒にイノベーションに取り組んでいくことを大きな目的に据えているのが特徴です。
3つの施設で構成したICIラボの中で、中心的な執務空間となっているのがエクスチェンジ棟です。免震を取り入れたうえで、柱が鉄筋コンクリート造、梁が鉄骨造というRCS構造を採用して広い無柱空間を実現しました。自由な席配置やパーティションを兼用したコミュニケーションボードを取り入れたり、ブレインストーミングエリアを設けたりするなど、活発な議論と情報発信を促す場づくりを意図しました。
このほか、カフェや個人ブース、フィットネスコーナーをはじめとするリフレッシュ空間をまとめた「ネスト棟」、多様な実験設備を配した大空間の「ガレージ1&2」があります。