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小型化した地中熱ヒートポンプを導入

 設備面でも様々な工夫を盛り込んで省エネルギー化を図った。

 暖冷房の熱源に採用したのは小型の地中熱ヒートポンプだ。ダクト式エアコンに利用するほか、3階の執務室では天井のパイプに17度の温冷水を流す放射暖冷房を導入した。これらと全熱交換型第1種換気設備を組み合わせ、室内の空気環境を効率的に整えた。

3階の執務室では、天井のパイプに地中熱から採熱した温冷水を流して放射暖冷房に活用(写真:棟晶)
3階の執務室では、天井のパイプに地中熱から採熱した温冷水を流して放射暖冷房に活用(写真:棟晶)
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 小型の地中熱ヒートポンプは棟晶が北海道大学と共同で開発したもの。「安定した地中熱を利用するため省エネ面で有効だが、コストがかかる。普及には小型化と、それに伴う低価格化が必須だ。採熱利用の方法を工夫し、従来はボーリングの深さが300mほど必要だったのに対して6mの深さで対応できるシステムを開発した。一般的な規模の戸建て住宅なら、カーポート1台分の広さがあれば地中熱を採取できる」と齊藤氏は話す。

 創エネルギーは、屋上と西側外壁に設けた合計23kWの太陽光発電パネルで賄う。外壁にも取り付けたのは、屋上のパネルが稼働しなくなる積雪時も一定の発電量を確保するためだ。外壁の太陽光発電パネルは、周囲からの照り返しによる効果も見込んでいる。

西側の外壁に設置した約6kWの太陽光発電パネル。屋上には約17kWを搭載している。トリナ・ソーラー・ジャパンの製品を使用(写真:守山 久子)
西側の外壁に設置した約6kWの太陽光発電パネル。屋上には約17kWを搭載している。トリナ・ソーラー・ジャパンの製品を使用(写真:守山 久子)
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 建築研究所のWEBプログラムの計算では、再生可能エネルギーを含む1次エネルギー削減率が102%(再生可能エネルギーを除くと同71%)となった。20年中には、24kWの蓄電池と2台の電気自動車によるV2H(Vehicle to Home)を設置する。稼働後には、「理論上はオフグリッド化を果たせる」(齊藤氏)予定だ。

建築概要
棟晶新社屋

  • 所在地:札幌市東区
  • 地域区分:2地域
  • 建物用途:事務所等
  • 構造・階数:鉄筋コンクリート造・地上3階建て
  • 延べ面積:430.56m2
  • 発注者・施工者:棟晶
  • 設計者:西方設計
  • 完成:2020年9月
ZEB化改修の評価(資料:棟晶)
ZEB化改修の評価(資料:棟晶)
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