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 渡辺パイプ(東京・中央)は、全国展開する自社サービスセンターの新築案件をZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とする取り組みを進める。前編に続き、寒冷地版の先例となった函館サービスセンターを中心に関係者がZEB設計の在り方を語る。

渡辺パイプ 函館サービスセンター(写真:渡辺パイプ)
渡辺パイプ 函館サービスセンター(写真:渡辺パイプ)
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2020年9月から全国のサービスセンター(SC)をZEBとする取り組みを進めていますね。どういうきっかけだったのでしょうか。

竹中耕司氏(渡辺パイプ総務ユニット建築・営繕グループグループリーダー):2019年に、当社が中核となるセディアグループが長期ビジョン「SEDIA2030宣言」を打ち出しました。これを受けて社内の各部署がそれぞれSDGs(持続可能な開発目標)を設定していくなか、私たち総務ユニットの建築部門で着目したのがZEBでした。

 建設コストが高くなり難しいのではとも思いましたが、初めて取り組んだ岐阜SC(2020年9月完成)で手応えを得ました。そこで、宮崎県延岡市と北海道函館市のSCに展開しました。まず、国内の中央と南北の地域で計画し、地域ごとの違いを比較しようと考えたのです。結果的に、いずれもBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)で最高レベルの「一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスのZEB」を取得できました。

一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスのZEBは、当初から狙ったのですか。

竹中氏:これがSCにとって最適解かどうかは分かりませんが、まずは高いレベルを目指しました。以前からいくつかのSCで設計・施工を依頼してきた大和ハウス工業がZEBのノウハウを持っているので、相談しながら計画を進めています。

谷口和紀氏(大和ハウス工業近畿設備技術部環境・設備G主任技術者):近年は再生可能エネルギーの導入拡大に伴って電気料金が高くなりました。さらに新型コロナウイルスの感染防止策でテレワークが増えてオフィスに在席する人数が減ったため、従業員1人当たりの電気料金はより高くなっています。ZEBは、こうした状況の下、エネルギー消費量を減らす要請に応える取り組みといえます。