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防災や減災を目的とする補助事業

 防災や減災を目的とする補助事業の要件に対応し、屋上に20kWの太陽光発電設備と30kWhの蓄電池を用意した。南北に長い既存建物の屋上には、連続する独立壁が機械室を囲むように立っている。太陽光パネルの半数は、この独立壁の東側に並べているため午後の発電量は少ない。「こうした建物の制約があるので、ZEBシリーズのなかでもZEB Readyが現実的だと判断した」と小田氏は話す。

上郡町役場本庁舎の導入設備(資料:上郡町)
上郡町役場本庁舎の導入設備(資料:上郡町)
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上空からの全景。太陽光発電設備は2カ所の屋上に分けて配置(写真:上郡町)
上空からの全景。太陽光発電設備は2カ所の屋上に分けて配置(写真:上郡町)
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 災害時に立ち上げる災害対策本部は、議場や会議室のある4階に置く。蓄電池は、停電時にも災害対策本部のパソコンや照明が稼働する電力を24時間確保できる容量を用意した。千種川に面しているため、蓄電池も屋上に設置している。

 補助金を利用した改修工事では、設計と工事の期限が定められている。上郡町役場本庁舎の場合、工期は2020年のゴールデンウィークから2021年1月15日まで。町職員が業務を続けながら工事を進めることが条件となったため、工程調整が重要だった。

 例えば、空調方式の変更に伴い、室内の天井に穴を開ける工事がある。その下の机まわりを養生するので、工事中は執務できない。そこで施工担当者は、執務空間の主な工事を金曜の夜から土・日曜日にかけて進めるように工程を組んだ。事前に町側と調整し、場所ごとの工事スケジュールを設定する。外壁、屋上、主要な執務フロア以外の1、4階にある会議室については平日に工事を実施した。定例議会が終了した9月末から次の議会が始まる12月頭にかけては全館の空調を止め、エアコンを取り替える工事を行った。

 町側と施工者のきめ細やかな調整が円滑な工事の進行を支えた。

改修後の執務室。ビルマルチエアコンの導入に伴い、天井に吹き出し口を新設した(写真:守山 久子)
改修後の執務室。ビルマルチエアコンの導入に伴い、天井に吹き出し口を新設した(写真:守山 久子)
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南面の開口。既存サッシのガラスをLow-E複層ガラスに取り換えた(写真:守山 久子)
南面の開口。既存サッシのガラスをLow-E複層ガラスに取り換えた(写真:守山 久子)
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建築概要

  • 建物名称:上郡町役場本庁舎
  • 所在地:兵庫県上郡町
  • 地域区分:5地域
  • 建物用途:事務所等
  • 構造・階数:鉄筋コンクリート造・地上4階建て
  • 延べ面積:5109m2
  • 発注者:上郡町
  • 設計・施工者:日比谷総合設備
  • 完成:改修2021年1月(新築1986年度)
上郡町役場本庁舎の申請時のZEBデータ(資料:環境共創イニシアチブ)
上郡町役場本庁舎の申請時のZEBデータ(資料:環境共創イニシアチブ)
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