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 いまだにリフォームよりも新築の市場に魅力を感じているという住宅実務者の方は少なくありません。工事1件当たりの売り上げが大きいだけでなく、リスクを予想しやすく、利益も確保しやすいからです。

 確かに、リフォームの仕事は甘いものでありません。工事を始めてから分かる事象が多く、スムーズに物事が運ばないケースは日常茶飯事です。日経ホームビルダー12月号の特集「あなたも陥るリフォームの修羅場」では、そんなリフォームの難しさを改めて浮き彫りにしました。

日経ホームビルダー2018年12月号の特集1「あなたも陥るリフォームの修羅場」(資料:日経ホームビルダー)
日経ホームビルダー2018年12月号の特集1「あなたも陥るリフォームの修羅場」(資料:日経ホームビルダー)
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 難度が高いリフォーム工事ですが、将来を見据えると無視するわけにはいきません。少子高齢化の進展に伴い、新築の住宅市場は確実に縮小していきます。大手シンクタンクでは、2030年には現在の約3分の2まで新設住宅着工戸数が減少すると予測しています。新築市場の縮小はかなり速いペースで進むのです。一方のリフォーム市場については、爆発的に拡大するという見通しこそ立っていませんが、シンクタンクでは少なくとも現状の市場規模を維持するとみています。

 特集で紹介したあるリフォーム会社では、手掛けている浴室リフォームの約8割で蟻害や腐朽が見つかると言います。ほとんどの現場がアクシデントを抱えているようなものです。しかしこの会社では、複数の工程表を作成し、腐朽などのリスクを事前に顧客へ説明しておくことによって、リフォーム工事を円滑に進められるようにしています。さらに、複数の工程表を実現するうえで、大工の手配に困らないよう自社専属の大工も抱えているのです。

 記事で紹介した他の事例でも、事前に考えられるリスクをきちんと把握して顧客に説明することが、リフォーム工事をスムーズに進めるポイントとなっていました。難しいからといって毛嫌いするのではなく、リフォーム工事に挑戦し、事前にリスクを割り出せるようなノウハウを蓄積していく取り組みこそが、新築市場の縮小リスクを乗り越える良策になるはずです。

 リフォーム工事の現場における問題だけでなく、リフォーム工事を巡る裁判や近年の災害で顕在化している訪問販売のトラブルも取り上げました。リフォーム工事の難しさを示す事例にスポットを当てた特集ですが、全体を読んでいただければ、リフォーム工事に挑戦するうえでのヒントを数多く見つけていただけると思います。

 日経ホームビルダー12月号ではもう1本、特集記事を用意しています。特集2「ディテールで読み解く省エネ住宅」です。屋根と天井にスポットを当てて、意匠性と温熱環境の両立を図った住宅を図面や写真とともに紹介しています。

日経ホームビルダー2018年12月号の特集2「ディテールで読み解く省エネ住宅」(資料:日経ホームビルダー)
日経ホームビルダー2018年12月号の特集2「ディテールで読み解く省エネ住宅」(資料:日経ホームビルダー)
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 今号は、詳しくお伝えしておきたいニュースが2つあったので、ニュースの深層を2本掲載しました。1本目は下階よりも上階が突出したオーバーハング部の換気口が防火上の弱点にならないかを実験で検証した記事です。

 「突出部の防火性能を実験で検証」と題する記事で、建材メーカーの城東テクノが木造に詳しい有識者の力を借りて実施した実験結果をお伝えしています。オーバーハング部の試験体を作成して加熱試験を行い、壁内通気層の有無による温度上昇の違いを確認しています。実験結果の詳細は、記事でご確認いただければと思います。

 もう1つのニュースの深層は「札幌市の液状化説明に疑問の声」です。北海道胆振東部地震で大きな地盤被害が生じた札幌市清田区において、市が住民に対して説明した液状化要因に対して、複数の疑問の声が上がっている状況を報じました。

 きちんとした原因究明がなされなければ、今後、現地で実施される対策に十分な効果を期待できなくなるかもしれません。市をはじめとする関係者の方々には、様々な意見にも慎重に耳を傾けてもらいたいと感じています。