全1310文字

 読者の皆さまにとって、2019年はどんな年だったでしょうか。先日、19年12月初旬に日本漢字能力検定協会が、「今年の漢字」の選定結果が発表しました。京都市内の清水寺で披露された漢字は、令和の「令」。改元という大きな節目を経た今年にふさわしい文字といえるでしょう。

 日経ホームビルダーの最新2020年1月号では冒頭で、編集部が選んだ19年の「10大ニュース」をまとめました。「今年の漢字」に倣って、これら住宅分野の10大ニュースから19年を漢字1字で表すと、私は「際(きわ)」という文字が浮かびます。

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 「10大ニュース」のトップは、秋口から連続して大きな災害をもたらした台風15号と19号。毎年のように繰り返される大規模な自然災害の脅威に改めて戦慄すると同時に、住宅分野でも、持てる知恵を総動員して従来以上の安心・安全を実現しなければならない「際」に達しているという確信を新たにしました。

 特集1「暴走『風』台風に向き合う」で注目した「風災」「風害」は、台風15号や19号に伴って生じた千葉県内の甚大な住宅被害で、広く注目を集めました。このコラムでも何度か、触れてきたところです(2019年12月号の見どころを紹介した「『北側に大開口』など、建材・設備の進化が住宅設計の幅広げる」など)。家づくりの技術・技能やそれらを取り巻く法制度で、意外に見落とされてきたリスクといえるのかもしれません。

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 住宅のトラブルや災害対策という視点で、雨漏りや壁内結露、地震災害などでは技術的検証を踏まえた対策が一定程度、普及しています。これらに比べて風災は、住宅分野で、メカニズムや対策の研究を深める余地がまだまだ多いと感じます。その点で、台風15号や19号に伴う千葉県内の大規模被害は、近年の台風災害や豪雨災害とは異なる、そして喫緊(きっきん)の検討課題を示したといえるのではないでしょうか。