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 新型コロナウイルスがもたらす肺炎の影響が、住宅産業にも着実に広がっています。2020年2月前半あたりから住宅設備を中心に、製品の納品が滞ったり、メーカーが新規受注を見合わせたりする動きが顕在化し始めました。日経ホームビルダーの最新20年4月号「使えるニュース」でその一端を報告したように、そうした影響は現在、この3月中旬時点でさらに拡大しています。

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 取材先の住宅会社・工務店でも、「建物は完成しているのに水まわりなどの機器が届かず、顧客に引き渡せない」という状況をあちらこちらで耳にします。春は引き渡し案件が多い時期ですから、影響が心配です。また中小事業者はもともと、キャッシュフローに余裕がない会社が少なくありません。公的な支援策も動き始めていますが、当面の資金繰りなど経営面への悪影響は避けられないかもしれません。

 日常業務では、例えば施工現場を担うスタッフに直行直帰を促したり、顧客との対面による打ち合わせをできるだけメールなどネット経由にしたりといった対策を講じている会社も増えているようです。こうした厳しい局面にあって、私たちも、読者の皆さまにお仕事で少しでも役立てていただける情報を冷静な視点で発信していきたいと考えています。

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 想定外の病禍を除外しても、現代は住宅産業、特に中小の担い手にとって激動の時代です。新築ニーズの量的減少は急速に進み、目指す針路を改めて見直すべき時期ともいえます。日経ホームビルダー4月号の特集1「失敗しない!工務店流『中規模木造』」は、そうした問題意識からまとめた記事です。

 国土交通省が20年1月末に公表した19年の新設住宅着工戸数は90万5123戸。前年比4.0%減で、3年連続で減少が続いています。注文住宅などの「持ち家」に限れば28万8738戸で3年ぶりの増加(前年比1.9%増)、また戸建てを含む分譲住宅は26万7696戸で5年連続の増加(同4.9%増)と、分野によってはそれなりに堅調さも感じられますが、今後の中長期的なトレンドとして新築ニーズの縮小傾向は避けられないところです。

 そうしたなかで地域の住宅会社・工務店はどのような針路を取るべきか──。木造戸建て住宅で培った技術・技能を生かす舞台を少しずつでも広げていくことは、重要な活路の1つではないでしょうか。特集1でテーマに掲げた「中規模木造」も、その例です。記事では、職人肌の親方大工職が建てた学校施設や、高断熱住宅の性能水準を取り入れた福祉施設といった事例を取り上げました。その他、設計上の工夫や施工計画における注意点など、木材販売会社やプレカット会社からの実務的なアドバイスも詳しく紹介しています。