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 日経ホームビルダー2020年6月号の特集は、「本誌が実験! ヒノキ神話『シロアリに強い』は本当か?」です。寺社など伝統建築を中心に古くから使われてきたヒノキは、姿の良さに加えてその耐久性が信頼されてきた木材です。現代の木造住宅建築でも高級建材であることに疑いはありません。

 しかしよく知られたものほど、先入観や誤解も付きまといがち。「ヒノキの建築はシロアリに食われない」という“定説”は本当か?――。そんな疑問をきっかけに、「百聞は一見にしかず」と取り組んだ独自実験を、この特集でまとめて報告しています。ヒノキと合わせて、ボード系断熱材の食害実験も実施。編集部の担当者が準備と実施に数カ月を費やした渾身の記事をぜひお読みください。

(写真:特記以外は日経ホームビルダー)
(写真:特記以外は日経ホームビルダー)
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 6月号では2本のリポートも掲載しました。1本目は「省エネ住宅」をテーマにした「建売住宅で独自の味付け」です。戸建て住宅の省エネ性能は、注文住宅だけでなく、建売住宅でも“ウリ”としてアピールするつくり手が増えています。この記事では埼玉県の地域工務店が分譲・販売を手掛けるミニ開発の事例を紹介しています。

(資料:増木工業、写真:浅田 美浩)
(資料:増木工業、写真:浅田 美浩)
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 もう1本のリポートは、「住宅の耐水害仕様」に焦点を当てた「浸水対策の費用対効果は?」。木造戸建て住宅の浸水被害を軽減するするため、建築時にできる対策3例を取り上げて、その費用対効果を検証した内容です。

 これらの検証は、国立研究開発法人建築研究所の住宅・都市研究グループが取り組んできた研究の成果。「1階床高を上げる」「壁・床の取り合いを床勝ちの納まりに」「基礎に水抜きスリーブ」など複数の具体策を組み合わせて、「建物内部は浸水するが修復はしやすいモデル」「建物内部への浸水を防ぐモデル」「高床にして室内への浸水を防ぐモデル」の3種類の耐水化モデルを示したうえで、無対策のモデルと比べてどの程度のコストアップが生じるか、試算例も示しています。

(資料:建築研究所の資料を基に日経ホームビルダーが作成、写真:現代計画研究所、日経ホームビルダー)
(資料:建築研究所の資料を基に日経ホームビルダーが作成、写真:現代計画研究所、日経ホームビルダー)
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 さて、新型コロナウイルスの感染者数は国内でやや落ち着きを見せ始めていますが、依然として警戒すべき状況が続いています。社会全体がかつてない規模で活動の自粛を余儀なくされているここ数カ月の状況を振り返ると、政府が示した範囲よりもっと広い意味で、「新しい生活様式」が今後、ごく普通の日常生活を急速に変えていくことは確実と感じます。

 家づくりでも、それは顧客ニーズの変化として浮かび上がってくるでしょう。日経ホームビルダーの森下慎一副編集長も先日、日経クロステックのコラム「記者の眼」に書いていましたが、例えばテレワークでの在宅勤務を前提に考えれば、室内に仕事用の空間が求められるようになったり、通勤の負担などが軽減されることで住宅の立地選択自体の傾向が変化したりと、様々な可能性が考えられます。働き方が大きく変われば、「住」に対するニーズも変わって当然といえるでしょう。