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「アフターコロナ時代」は顧客ニーズも変わる?

 顧客とのコミュニケーションも、コロナ禍の社会的体験を踏まえてやってくる変化と、無関係ではいられないと思います。日経ホームビルダー6月号「緊急リポート・コロナ禍の住宅業界」で紹介したように、例えば自粛下の対策としてウェブ会議システムなどインターネットを介したコミュニケーション・ツールを導入する動きが、住宅業界で事業規模の大小を問わず急拡大しています。

(資料:日経ホームビルダー、ドクターリフォーム・サンセイ、MIMA)
(資料:日経ホームビルダー、ドクターリフォーム・サンセイ、MIMA)
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 こうしたコミュニケーション手法は、働き方の変化などとも連動して、家づくりのプロと顧客との間で着実に定着していくとみています。実をいえば私たちの会社でも、コロナ禍に伴う在宅勤務を契機に、ウェブ会議システムを本格的に活用し始めました。取材先とのやり取りで使うケースも出ています。当初はとまどう部分も少なからずありましたが、慣れてくると意外に便利。無料で使えるサービスもありますから、コロナ禍が沈静化した後、いわゆる「アフターコロナ」と呼ぶべき段階になっても、社会の様々な場面に浸透し続けるのではないでしょうか。

 その一方、ウェブ会議システムを介したコミュニケーションで歯がゆく感じるのは、音声と映像であたかも対面しているようにやり取りしていても、対面時に自然と伝わる“空気感”のようなものが希薄になりがちという点です。「ソーシャルディスタンス」とは単に物理的な距離だけでなく、心理的な距離も伴う性質を兼ね備えており、こうしたコミュニケーション手法ではその性質が如実に現れるように思います。

 一定の心理的距離感を内包することがツール特有の性質なのだとしたら、顧客とのコミュニケーションにおいては危険な側面もあります。お互いが非言語の“空気感”を共有できていない状況では、「言った」「言わない」、「説明した」「聞いてない」といった認識のギャップがより生じやすいからです。顧客クレームなどのトラブルを避けるために、こうしたコミュニケーション手法も「新しい生活様式」の1つと捉えて、ブラッシュアップしていく必要があると考えます。