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 日経ホームビルダー8月号の特集「しくじらないエコハウス」は、木造戸建て住宅の省エネ性能をテーマにしたこれまでの記事に比べると、少し変わった内容と受け取る方がいるかもしれません。建材・設備のスペックやそれらの採用方法、断熱気密施工の勘所、性能値の比較といった定番の話題はほとんどなし。あえて焦点を当てたのは、家づくりの具体的プロセスで最も川上に位置する「プランニング」です。

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 省エネ住宅のセオリーを住まいのプランニングとの関係からひもとく――。その案内役をお願いしたのは、松尾設計室(兵庫県明石市)の松尾和也代表。省エネ住宅の分野で代表的な専門家の1人です。自身の考え方を松尾代表は、昔ながらの言葉「家相」を引き合いに、科学的根拠で裏打ちした「現代版の家相術」と表現しています。

 木造戸建て住宅の省エネ技術とは、技能の品質なども含めた総合技術といえます。建材・設備のスペックなど、個別の要素だけでは最適解を導き出せません。敷地に対する建物の配置や建物の形状、開口部の設け方、日射の活用計画といったプランニング段階の検討項目も、最適解に至るうえで重要な要素であることは言うまでもありません。逆に言えば、これら家づくりにおける川上段階での選択に起因して、性能を十分に引き出せていないというケースも生じるわけです。

 エコハウスにおける「現代版の家相術」とは、個別の条件によって異なる省エネ性能の最適解を、家づくりのプロセス全体を科学的根拠で検証しながら追求する考え方ともいえるでしょう。プランニングをテーマにした今回の特集は第1弾であり、機会をみて続編もお届けしたいと考えています。改めて考えてみると、家づくりのプロに求められる「技術力」とは、全てにおいて、こうした考え方に基づいていることが不可欠なのではないでしょうか。