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 日経ホームビルダーでは前号2021年1月号本誌と日経クロステックで、休刊のお知らせについてご報告させていただきました。今号2月号でも「編集部から」にて、改めてご案内差し上げるところです。1999年7月号の創刊以来、20年余にわたる皆さまのご支援に深く御礼申し上げます。これまでお届けしてきた記事に対して皆さまからいただいた温かい励ましや、ときには手厳しいお叱りのお言葉、いずれもが歴代の編集部全員にとって大切な原動力でした。最終号の21年4月号まで残すところ2号、最後までしっかり走り続ける所存です。

 さて、以下は最新2月号の見どころをご紹介します。特集「建て主400人アンケート『沈黙の不満』」は、久しぶりの大型独自調査に基づく記事です。焦点を当てたのは、建て主が住宅会社など建築依頼先に対して抱く「あえて口にしない(あるいはできない)不満」です。

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 特集冒頭で登場いただいた住宅会社の経営者は、近年実感する建て主の傾向を「ある種の“情報中毒”」と評します。メディアやインターネット情報、口コミなど、家づくりに関する様々な情報があふれるなかで、建て主の多くはそれらをどん欲に吸収する一方、的確に整理できていないケースも少なくありません。多すぎて消化しきれない情報は、かえって不安や疑心暗鬼の念を助長しがち。それらが蓄積することで、「不満」を生みやすい心理的土壌が徐々に形成されていきます。そうならないようにするためには、顧客対応でどのような配慮が必要か、特集では住宅会社2社の取り組みを紹介するところからスタートします。

 家づくりの顧客対応に限りませんが、相手がはっきりと伝えてくる不満よりも胸に納めてしまった不満の方が、後々のトラブルリスクにつながりやすいものです。伝えてくれれば、すぐに対処したり、思い違いや誤解であれば抗弁したりできますが、「沈黙の不満」はそうはいきません。しかし日経ホームビルダーの調査によると、直近5年以内に注文住宅を新築した建て主412人(有効回答を寄せた建て主)のうち、家づくりのプロセスで生じた不満を建築依頼先に「全て伝えた」と回えたのは20.4%。「ほとんど伝えた」と合わせても合計47.3%と、全体の半分以下でした。

 この結果を建築依頼先別に見ると、大手住宅会社やハウスメーカーに比べて、地域住宅会社や工務店に依頼した人ほど、不満をあまり伝えない傾向が見て取れます。相対的に後者の方が、建て主の不満が顕在化しにくい面があるといえるかもしれません。前述したように、家づくりのプロにとって建て主が抱く「沈黙の不満」は、後から深刻なクレームを招きかねないなど、重大なリスク要因であることは確かです。建て主はどんなときに、またどんなことに不満を抱くのか──。自由記入欄に寄せられた生の声を含めて、顧客対応の実務に生かしていただければと思います。

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 2月号のリポートでは、2つのテーマに焦点を当てました。1本目のテーマは「大型パネル工法」です。家づくりの現場で省力化ニーズがかつてないほど高まるなか、外壁や屋根の躯体パネルを工場生産して現場に搬入し建て込むこうした工法に最近、注目が集まっています。パネルが工場でどのように生産されているのか、家づくりトータルで考えた際にメリットとデメリットはどこにあるのか、常用している住宅会社や設計事務所に聞いた評価も含めて紹介します。

 もう1本のリポートは、「住宅設計の火災対策」がテーマです。戸建て住宅の火災時避難経路について、日本建築学会「住宅の火災安全小委員会」が示したプラン・設計上のポイントを紹介します。「防耐火性能を高めるだけでは、戸建て住宅火災による死亡者数は減らせない」と同小委員会の専門家は警鐘を鳴らします。リポートでは、火災警報器の音の伝わり方、子どもなど災害弱者が使う居室での脱出口の確保、避難経路を塞ぐ恐れがある建物の配置や意匠など、押さえておくべき重要なポイントを解説しています。ぜひご一読ください。

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