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顧客価値も生産性も向上

 新しい材料を設計に生かす利点は、環境負荷の軽減だけではない。図5にその代表例を挙げた。顧客価値や生産性の向上など、メリットを期待できる項目は多い。

図5 新しい材料を設計に生かして得られるメリット
図5 新しい材料を設計に生かして得られるメリット
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 例えば、クルマの世界では、ユーザーに与える価値(顧客価値)の向上は非常に大きな利点だ。他にない材料で設計して高級感や最先端の印象、優位性の印象を出せれば、顧客満足度が高まる。機能や性能の向上が顧客価値を高めることは言うまでもない。

 クルマの軽量化はCO2排出量の削減をもたらすだけではない。車体の重心を下げるなど、操縦安定性や走行性能の向上にも寄与する。

 近年は樹脂の性能が高まり、金属を代替することも珍しくなくなった。さらに、低誘電性など電気的特性を備えた樹脂も出てきた。従来にない軽さのウエアラブル機器やデジタル製品、電子制御ユニットなどの設計が可能になる。

 耐久性に優れる材料を使用すると、製品や建物、インフラの寿命が延び、維持管理・更新にかかる手間やコストを減らせる(図6)。

図6 北海道の「黄金道路」の海岸擁壁に設置した、圧縮強度300N/mm2以上の無孔性コンクリート。激しい波が運んできた岩の衝撃や磨耗で劣化し、凍結も重なるなど複合的な要因で損傷が激しかった場所だ。長期間の供用が期待できるので採用された(出所:宮坂建設工業)
図6 北海道の「黄金道路」の海岸擁壁に設置した、圧縮強度300N/mm2以上の無孔性コンクリート。激しい波が運んできた岩の衝撃や磨耗で劣化し、凍結も重なるなど複合的な要因で損傷が激しかった場所だ。長期間の供用が期待できるので採用された(出所:宮坂建設工業)
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 航空・宇宙、自動車、船舶、建築、土木、生物、化学──。業界を問わず共通して使われる「材料」。専門外や不得意な分野には目を向けたがらない技術者は多い。それでも他の業界で使われている材料に目を向けると、新しい設計や開発を実現するためのヒントが見つかるかもしれない。本特集では、従来の設計をガラリと変え得る、新しい材料やその応用事例を紹介する。