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 9人の命を奪った中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故。あれから5年の歳月が流れ、橋やトンネルといったインフラの維持管理の在り方は大きく変貌した。不幸な事故を繰り返さないために、定期点検の義務付けをはじめとする制度整備が進み、革新的な点検技術の開発も加速している。

 政府が2013年に示した成長戦略「日本再興戦略」では、30年までに国内の重要インフラや老朽インフラの全てを、センサーやロボット、非破壊検査技術などを活用して効率的に点検・補修するという目標を掲げた。さらに中間段階として、20年ごろの達成率を20%に設定している。

AIをはじめとする先進技術活用によるインフラの維持管理の効率化に向けた未来年表。政府は成長戦略として2030年に重要なインフラや老朽インフラの全てにおいて、センサーやロボット、非破壊検査などの技術を利用した高度で効率的な点検・補修を実現する目標を掲げる(資料:日経 xTECH)
AIをはじめとする先進技術活用によるインフラの維持管理の効率化に向けた未来年表。政府は成長戦略として2030年に重要なインフラや老朽インフラの全てにおいて、センサーやロボット、非破壊検査などの技術を利用した高度で効率的な点検・補修を実現する目標を掲げる(資料:日経 xTECH)

 インフラの維持管理市場の規模は巨大だ。国土交通省は、同省の所管する国内インフラのメンテナンス市場が、23年に年間5兆円を超えると推計している。老朽化への対応が要るのは、国交省が所管するインフラだけではない。農道や林道、水道のほか、民間企業が管理するインフラも存在する。

 現状でも同省以外のインフラを含めた国内のメンテナンス市場は5兆円規模に及ぶ。世界に目を向ければ、その規模は約200兆円に達するという試算もある。

国土交通省がインフラメンテナンスを取り巻く状況を説明するために示した国内外のインフラメンテナンスの市場規模。海外の市場規模については、「Booz Allen Hamilton, Strategy & Business, no. 46, 2007」を基に算出した(出所:国土交通省)
国土交通省がインフラメンテナンスを取り巻く状況を説明するために示した国内外のインフラメンテナンスの市場規模。海外の市場規模については、「Booz Allen Hamilton, Strategy & Business, no. 46, 2007」を基に算出した(出所:国土交通省)