市場規模が10兆円を切り、20年前に比べ3分の2に減ったアパレル業界。そのアパレル業界が衰退した原因は、一言で言えば市場の変化に乗り遅れたことだ。ファストファッションやECという大きな波に乗れずに、旧来型の大手アパレル企業は苦境に陥った。
2015~2016年度にオンワードホールディングスやワールドなど大手アパレル4社が閉店を決めた店舗数は実に1600。衣料品を主軸に据えアパレル業界と二人三脚で市場拡大に寄与した百貨店も、郊外店などの閉店を余儀なくされている。
対照的に、時代を味方につけたアパレル企業が気を吐く姿が目立ち始めた。一番の台風の目はファッション通信サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイだろう。時価総額は1兆円前後となり、三越伊勢丹ホールディングスの約2倍に及ぶ。
そのスタートトゥデイが2018年に満を持して開始する事業がプライベートブランド(PB)の「ZOZO」だ。
アパレル企業に商品を卸してもらう小売業から、メーカーへと変貌を遂げるというのは、何も珍しい話ではない。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングも小売業から事業を始め、徐々に利益率の高い独自商品の製造に舵を切っている。