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 経済産業省は2018年1月に開催した「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2018」において、mediVR(東京都千代田区)の「Virtual Reality及び人工知能技術を利用したDual Task型運動リハビリテーション治療機器」をグランプリに選定した。同コンテストは、次世代のヘルスケア産業の担い手を発掘・育成するために2016年から毎年開催されており、2018年が3回目となる。

mediVRの治療機器を使ったリハビリテーションの様子
mediVRの治療機器を使ったリハビリテーションの様子
出所:mediVR
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 グランプリを受賞したmediVRの治療機器は、同社が大阪大学、国立循環器病研究センターと共同開発中の脳梗塞患者や神経変性疾患患者のリハビリテーションプログラムに使用するものだ。患者はHMD(ヘッドマウントディスプレー)を装着し、VR(仮想現実)空間に表示される目標物に向けて専用コントローラーを持った手を伸ばす。30cm先に手を伸ばす運動をさせたい場合は、VR空間の患者から30cm離れた位置に目標物を表示する。

 このとき治療機器は、VR空間の目標物の位置と患者の実際の手の動きを比較して、両手のリーチング(可動域)、体幹と重心のズレを測定する。そして、理学療法士はこの測定結果から患者の体幹コントロール機能の回復状態を定量的に判断し、適切なリハビリプログラムを策定していく。これまで理学療法士の主観に頼らざるを得なかった部分を解消し、リハビリのレベルを一定以上に押し上げる効果を狙う。現在は健常者による評価フェーズの最中であり、2018年中にリハビリテーションの現場で患者向けに提供する予定だ。