日産自動車の副社長で電気自動車(EV)事業の責任者を務めるDaniele Schillaci氏は、「新型リーフはEVではない」と訴える。EVであることは揺るぎのない事実だが、Schillaci氏の言葉から、電動パワートレーン以外の機能や商品力を訴求したい日産の本音が透けて見えた。
日産が新型リーフで多く盛り込んだのが「自動運転技術」で、代表的なのが運転支援システム「プロパイロット」である。自動車専用道路の単一車線における車線維持機能で、同社の「セレナ」「エクストレイル」に続いての採用となった。
沖縄自動車道の走破を目指す
同技術の特徴は、単眼カメラ1個で実現したことだ(関連記事:分解調査:リーフの前方監視カメラにモービルアイの画像処理チップ発見)。単眼カメラで車両前方の車線の区画線(白線や黄線)や先行車を検知する。
競合する多くの自動車メーカーも車線維持機能を実用化しているが、より高価なセンサー構成となっている。例えばSUBARU(スバル)はステレオカメラを使う。ドイツ・ダイムラー(Daimler)はステレオカメラとミリ波レーダーを組み合わせる。
本当に単眼カメラ一つで車線を維持してくれるのか――。日産がリーフの目玉機能として盛り込んだプロパイロットの実力を、沖縄自動車道で試してみることにした(図1)。急カーブや勾配変化が少ないことで知られる沖縄自動車道だけに、事前の予想は「余裕で完全走破」。だが我々は、過信は禁物という原則を再確認することになった。