新しいタイプのシステム開発がプロジェクトの主役になりつつある今、プロジェクトマネジャー(プロマネ)には新たなマネジメント手法の習得が求められている。既存資産を拡張する「エンハンス」や手つかずの新領域をIT化する「攻めのIT活用」、老朽化システムを近代化する「モダナイゼーション」などが今後の主流だ。
こうしたプロジェクトでは、これまで当たり前に思っていたマネジメント手法が、トラブルを招きかねない。プロジェクトの経験が豊富なプロマネへの取材を基に、プロマネがやってはいけない「禁じ手」を紹介する。
新しいタイプのシステム開発がプロジェクトの主役になりつつある今、プロジェクトマネジャー(プロマネ)には新たなマネジメント手法の習得が求められている。既存資産を拡張する「エンハンス」や手つかずの新領域をIT化する「攻めのIT活用」、老朽化システムを近代化する「モダナイゼーション」などが今後の主流だ。
こうしたプロジェクトでは、これまで当たり前に思っていたマネジメント手法が、トラブルを招きかねない。プロジェクトの経験が豊富なプロマネへの取材を基に、プロマネがやってはいけない「禁じ手」を紹介する。
老朽化したシステムのモダナイゼーション(近代化)では、ユーザーが要求する「現行通り」をそのまま受け取り、十分な調査なしにプロジェクトを開始してはいけない。現行システムの調査が不十分だと、現行とは何かが曖昧なまま進んでしまいプロジェクトが終わらなくなる。
攻めのIT活用では、未経験の新しい技術を活用したり、新事業の立ち上げを目指したりする。不確実な要素が多いので、長期の詳細な計画を立てるのはデメリットが多い。
エンハンスと新規開発では工数見積もりの勘どころが異なる。経験の浅いプロマネは新規開発と同様に開発規模で見積もりをしがちだが、これだと見積もりが過小になる。
エンハンス開発では「この画面にこの項目を追加してほしい」といった具合に、ユーザー(利用部門やユーザー企業)からの要求がアドホックに出てくる。新規開発と比べ、エンハンスの要求は一見明確に思える。ここに落とし穴が潜む。
納期から逆算して計画を作成する―。こうした計画で進めたプロジェクトは、スケジュールが遅延したり、メンバーが過重労働になったり、要求品質を満たせなかったりする。