2020年に開催予定の東京五輪。世界のショーケースとなる大イベントを前に、建物や街、交通システム、IT・通信が大きく変貌しつつある。世紀の大イベントを8K観戦した後に、激安EVで新たに現れた巨大劇場街に乗り付ける――。そんな近未来の東京をのぞいてみようではないか。

東京大改造2020
目次
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人の動きに追従する超高速プロジェクションマッピング、パナが五輪イベントで披露
メッシュスクリーンと呼ばれる透過型のスクリーンの後ろで、新体操の選手がバトンを持って演技。そのバトンの動きに合わせてスクリーンに白い光が映し出される――。これはパナソニックが開発した、「高速追従プロジェクションマッピングシステム」を使ったパフォーマンスの様子だ。
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五輪関連の新規ビジネスを1000億円規模へ、IoTフル活用でパナソニックが攻める
パナソニックは東京2020大会後にスポーツを核とした「施設空間の価値向上」ビジネスに商機を見いだした。五輪を契機に生み出した新規ビジネスの累計販売は2020年度までに240億円。これを700億円超に拡大する目算だ。
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新橋駅前で10µmの水滴で冷やすパナのエアコン設置
平均粒径10µmの水滴(ミスト)を利用して周囲の空間を冷やすパナソニックの「グリーンエアコン」が新橋駅前の「新橋SL広場」に2019年7月1日に登場した。1台で約15人が涼をとれるという。設置したのは地方自治体の東京・港区。
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線路をまたぐ「ダイヤゲート池袋」完成、鉄道ファン必見!
鉄道を間近に見下ろせる「ダイヤデッキ」が供用開始
西武ホールディングスは2019年3月25日、東京・池袋で開発を進めていた「ダイヤゲート池袋」の竣工式典を行った。この地にあった池袋旧本社ビルを建て替えたものだ。西武線の線路をまたいで立つオフィスビルだ。
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三代目・東京會舘が明日開場、写真で見る“谷口モダン”からの脱皮
隣接する3棟を一体化、「丸の内二重橋ビル」の一部として再生
芥川賞・直木賞の授賞式などで知られる東京・日比谷の「東京會舘」が、約4年間の閉場を経て明日、2019年1月8日に再開場する。新本舘と2代目本舘を写真で対比しながら、何を守り何を変えたのかを見ていこう。
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FCVは消えるのか?、トヨタがコスト半減の新型車で反攻の“のろし”
水素インフラは2021年度までに80カ所増を計画
「2020年代前半に一度、電気自動車(EV)から燃料電池車(FCV)への揺り戻しが必ず起きる。このタイミングがFCVにとってのターニングポイントになる」。潮目の変化を“予言”するのは、トヨタ自動車でFCV開発を担当する河合大洋氏だ。同社はコストを半減させたFCVを2020年ごろに投入する。
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ビッグデータ都市づくりが「空間デザイン」の本質になる
IoT(モノのインターネット)が浸透すれば、これまで管理・運営に手の回らなかった空間が、効率的にモニタリングできる対象となる。既存のストックを「使い倒す」という視点で、ソフト施策による街づくりをビジネスに仕立てる展望が開ける。新たなエリアマネジメント手法の動きを追った。
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2020年には“激安EV”、日産やホンダが新プラットフォームで
充電網も0.012%の壁を越えて整備へ
0.012%――。大都市で電気自動車(EV)の充電網を整備する難しさを物語る数字だ。都内には約13万棟のマンションがあるが、EVの充電器を設置してあるのは2017年3月時点でわずか16カ所しかない。13万棟のマンションには都民の約6割が住んでいるとされる。マンションへの充電器設置なくしてEVの普及…
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使える「3D都市データ」は“技術の無駄遣い”から生まれる
ライゾマティクス・齋藤精一代表取締役に聞く
東京を題材に、地下を含む3D(3次元)都市データをつくる取り組みが進展している。最前線でプロジェクトを率いるライゾマティクスの齋藤精一代表取締役に聞く。
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デジタルものづくり時代、都市のつくり方は「まだまだ古い」
座談会「東京の近未来像を語る」
都市をつくる方法が転換期にある。コンピューターのソフトウエア開発の方法に近くなった、と見る向きもある。エリアマネジメントなどを専門とする保井美樹氏の進行で、原宿を拠点に芸能プロダクションを経営する中川悠介氏、渋谷を拠点にクリエーティブな人材の活動の場を生み出す林千晶氏、建築家の藤村龍至氏に、東京圏…
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自動運転の最難関、“市街地”に挑む
自動運転が創出する市場規模、2050年に700兆円に
トヨタ自動車や日産自動車をはじめとする多くの企業が市街地での自動運転の実現に向けて力を注いでいる。リスクを背負ってでも自動運転を使った移動サービスの実用化を目指す背景には、自動車業界の構造変化という負の側面と、2050年に向けて形成される巨大市場への期待が同居する。
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小池百合子・東京都知事インタビュー(後編)、「金融、バリアフリー、無電柱化で技術革新」
日本の「ウォール街」をつくる、小池氏が描く東京改造計画
東京都が2017年9月に策定した「都市づくりのグランドデザイン」は、2040年の近未来をターゲットとし、持続可能性を重視しながら分野横断的な挑戦を指向する内容となっている。今後どのような街をつくり、次世代に引き継ごうとしているのか。前編に続き、小池百合子・東京都知事に聞く。
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リオ五輪では数千万回の攻撃、サイバーテロを防げ
2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、大きな課題として浮かび上がるのがサイバー攻撃対策だ。金銭目的に限らず、政治的な主張を目的とした攻撃、大会運営の妨害を狙ったサイバーテロまで懸念される。日本の備えは大丈夫か。
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東京でつかむ、自動運転の世界切符
五輪が開催される2020年の東京は、自動運転車の実力を試す絶好の機会となる。自動運転車にとって解決しがいのある難しい課題が集約されているからだ。見るべきところは、羽田空港と首都高、都心の市街地の3カ所。東京五輪の舞台で自動運転車を鍛え、世界市場へ挑戦する切符を掴む。
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小池百合子・東京都知事インタビュー(前編)、「新技術でも常にイニシアティブを取りたい」
小池都知事に技術観やビジョンを聞く
2020年に開催予定の東京五輪に向けて、建設、自動車、IT・通信などの各技術領域で大きく変貌していく東京。では、東京都のリーダーである小池百合子・東京都知事は、東京をどのように変えていこうとしているのか。とりわけ都市づくりに今後技術をどう活用していくのか、技術観やビジョンを聞いた。
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パニックをAIが自動検知、スタジアムを守る最新システム
1000万人以上の観客が見込まれる東京オリンピック・パラリンピック競技大会の運営で重要なものの1つが、テロや事故を未然に防ぐ警備である。警備業での人材不足が叫ばれるなか、成功の鍵となるのがITの活用だ。
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タクシーの反撃、生き残りをかけて改革急ぐ
日本市場を守り抜けるか
タクシー市場の縮小が止まらない。ハイヤーを含む利用者は26年間で半数以下まで落ち込み、この動きは今後も続く見方が強い。さらに追い打ちをかけるのが、世界で躍進する海外配車サービス大手の日本進出だ。劣勢となった日本のタクシー事業者は、三つの策で生き残りを図る。利用料金の低減、アプリの利便性向上、新型のタ…
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初のパラリンピック2度目開催、“誰でもアクセス”目指す
オリンピック・パラリンピック競技大会を2020年に迎える東京では、途絶えぬ大規模開発が注目を集める。そうした機能更新を続けるなかで、次の世代に引き継げる都市環境をつくる必要がある。東京都が最重視するのが、“誰でもアクセス”を可能とするバリアフリー化の推進だ。
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「小池劇場」収束か? 五輪アクセスにめど
2020年の東京五輪開催に向け、その準備は「待ったなし」の段階に入った。方針が定まらず、開通・開業に遅れの生じていた東京都関連の重要インフラ・施設に関しても、順次ゴールの期日が明らかになっている。
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池袋が前代未聞の「劇場・ホール」街に変身!
現在発売中の日経BPムック「東京大改造マップ2018-20XX」で取り上げた各拠点エリアのなかで、アートやカルチャーを軸とする特色ある都市づくりビジョンを掲げているのが池袋だ。現在進行中の大規模案件(延べ面積1万m2以上)から、近未来像を探ってみる。