五輪開催の2020年を前に激変する東京。今回は、ひときわ大きなプロジェクトが集中する「虎ノ門・浜松町」エリアをピックアップする。日経BPムック「東京大改造マップ2018-20XX」で実施したプロジェクト調査を基に、現在進行中の大規模案件(延べ面積1万m2以上)を洗い出す。
エリアの性格:大規模複合開発の先進地帯
虎ノ門エリアの大規模開発プロジェクトをけん引する事業者の中心は、森ビルだ。全街区の合計で六本木ヒルズと同等の延べ面積になる虎ノ門ヒルズで複数棟の建設を進めるほか、都内最大級の再開発も始動させている。
赤坂1丁目のアークヒルズを1986年、六本木6丁目の六本木ヒルズを2003年に完成させた森ビルは、港区を拠点に大規模複合開発を主導する都市デベロッパーとして独自の地位を築いた。その赤坂・六本木では住友不動産、新日鉄興和不動産といった他社との広域エリアマネジメント連携に臨むと共に、2010年代には創業の地である虎ノ門に力点を移している。
一方、虎ノ門の東側に位置するJR浜松町駅周辺は、湾岸部に近いターミナルという特性を発揮できる場所で、超高層の世界貿易センタービルディングが象徴的な存在となっていた。その建て替えも始まる。