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 駐車場が満車であることは、さらなる悪循環を生む。駐車場に停められない車両は道路にあふれて、違法な路上駐車として道路交通を阻害するという見方もある。交通渋滞や事故の原因となる。溢れた路上駐車が発生し、渋滞の原因になる(図3)。

図3 足りない東京の駐車場が違法な路上駐車の要因の一つに
図3 足りない東京の駐車場が違法な路上駐車の要因の一つに
(左)東京のコインパーキングには「満車」の表示が目立つ、(右)東京都には約6万台の違法な路上駐車のクルマが常に存在。2011~2016年の期間で台数に大きな変化はない。2輪車は減少傾向にある。(出典:警視庁の発表資料を基に日経 xTECHが作成)
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 東京都の深刻な駐車場不足を商機に躍進しているのが駐車場シェア事業者である。駐車場シェアは、月極や個人の駐車場を空いているときに貸し出すサービス。2014年から日本で始まり、首位に立つのが新興企業のakippa(アキッパ)だ。スマートフォンの普及を追い風に、同端末で簡単に予約して決済できる仕組みを構築した。その利便性の高さにトヨタ自動車が注目し、提携している。2018年2月現在でも「売上高は年々右肩上がり」(akippa)と好調を維持している。

 akippaが躍進しているのは、駐車場の数を増やす地道な努力を重ねたことに加えて、どこでも予約して決済できる仕組みを提供していることにある。予約と決済は、スマホなどの携帯端末で移動しながら実行できる。加えて短時間でも使いやすいように、駐車場の予約時間の単位を15分と短くした。さらに、利用料金を近郊の有料駐車場の半額以下に抑える。ユーザーが支払った料金は、駐車場の所有者とakippaで分配する。同社は3~4割ほど得ているとみられる。

 先駆ける新興企業の躍進を見て、2016年にはパーク24や三井不動産リアルティといった駐車場事業の大手2社が軒並み参入。市場を大きく広げた。さらに2017年、不動産情報サイト「SUUMO」を運営するリクルート住まいカンパニーや、電子商取引(EC)大手の楽天など、異業種からの参入も相次ぎ、競争は激しさを増している。使っていない駐車場を有効活用する仕組みがさらに広がれば、路上駐車を減らして交通渋滞の緩和に貢献できそうだ(図4)。

図4 限りある空間を有効に使って混雑を解消
図4 限りある空間を有効に使って混雑を解消
月極や個人の駐車場を空いているときに貸し出す駐車場シェアが拡大し、東京都の道路混雑は緩和可能に。路上の空いた空間を有効に使ったカーシェアの実証実験も進む。
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 さらに、都心部の限りある空間を有効に使うために、2016年12月にはパーク24が国土交通省と連携。超小型電気自動車(EV)を用いた路上でのカーシェアの実証実験を始めた。高層ビル群が広がる都心部の地下鉄駅では、駅の出入り口と隣接するように駐車場を設けることは難しい。地下鉄駅の直上を駐車空間にすることで、駅到着後に短時間で車両を使い始められる。会員カードや専用アプリケーションをインストールしたスマートフォンをかざすことで、車両の鍵を開錠して乗車する。道路の一画に三つの駐車場を作り、3台の車両をシェアする。駐車場の幅は2mほどと狭いが、運用する超小型モビリティーの駐車には十分なスペースだ。