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できない、と言っている時代ではない

自動運転という言葉が出ました。それに関連してお聞かせください。五輪の観戦客が押し寄せる2020年、またそれ以降も交通システムの整備は重要なテーマになるはずです。自動運転などの新しい技術をいかに活用していく計画をお持ちなのでしょうか?

小池百合子・東京都知事(撮影:澤田 聖司)
小池百合子・東京都知事(撮影:澤田 聖司)
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 自動運転の技術は、国際競争の大きなテーマにもなっています。東京都は、羽田空港周辺(大田区)を国家戦略特区(注)の扱いにしてもらい、日本自動車工業会などと公道での完全自動運転の実証実験を進めています。

注:新技術の実証のために現行法の規制を一時的に緩和する「サンドボックス制度」を適用

 やはり自動車産業というのは日本の基軸産業ですから、自動運転の技術も研ぎ澄ませてほしい。単なる“側(がわ)”(=車体)だけをつくるのではなく、そこに、どういう“頭脳”を入れるかという闘いですからね。日本のように細い道があったり、それから高齢化が進んで車いすの人が増えたりするなかでは、きめ細やかさが必要です。自動車に乗る人にも街を歩く人にも、どちらにとっても安全な、そういう産業を日本勢には是非ここでつくり上げてほしい。

それを、東京都の後押しで進めたい、ということですね。

 はい、そうです。

以前「豊洲市場を、ITを活用した総合物流センターにする」と発言されていました(17年6月、臨時会見)。豊洲に限らず、東京をどのようなハイテク都市にしていきたいかお聞かせください。

 今はAIの技術も大変な日進月歩で進んできていますよね。あれができない、これができないと言っている時代ではない。人がドローンで飛んじゃうところまで行くかは分からないけれど、交通システムも変わるでしょうし、想像を超える変化が起こってもおかしくない。

 やっぱり首都である東京が時代の流れに取り残されないようにしたい。それどころか新技術に関しても常にイニシアチブを取れるくらいでありたい。特に東京の場合は国との連携で「特区制度」を活用することが多いわけですけれど、今後もそうした制度を活用して発展させていきたいと考えています。

「国家戦略特別区域法及び構造改⾰特別区域法 の⼀部を改正する法律案」の概要。近未来技術の実証のために「日本版レギュラトリー・サンドボックス」制度が盛り込まれた。同法は17年6月に成立。都は先行して同3月に「自動走行サンドボックス分科会」を設置している(出所:首相官邸ホームページ「第1回東京都自動走行サンドボックス分科会」)
「国家戦略特別区域法及び構造改⾰特別区域法 の⼀部を改正する法律案」の概要。近未来技術の実証のために「日本版レギュラトリー・サンドボックス」制度が盛り込まれた。同法は17年6月に成立。都は先行して同3月に「自動走行サンドボックス分科会」を設置している(出所:首相官邸ホームページ「第1回東京都自動走行サンドボックス分科会」)
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東京都の立場から、ハイテク関連企業に求めたいことは何かありますか?あるいは既に具体的な注文を出されていますでしょうか?

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の際には、より多くのインバウンドのお客様が訪れるはずです。その1年前には、ラグビーワールドカップが開催されますよね。

 ですから、既に始めていることですけれど、言葉が通じなくてもお客様とやり取りできるタブレットPCの採用をタクシー業界に対して後押ししています。それからサイネージの多言語化ですね。羽田空港に着いたらそのまま、スマートフォンなども使いながら自分の国の言語で行き先までたどり着けるようにしたい。そのような技術の進歩を特に期待しています。

小池百合子・東京都知事(撮影:澤田 聖司)
小池百合子・東京都知事(撮影:澤田 聖司)
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小池百合子・東京都知事インタビュー(後編)、「金融、バリアフリー、無電柱化で技術革新」に続く]