2019年10月の台風19号で多摩川に土砂が堆積した影響などで、進捗が遅れていた「羽田連絡道路」の台船による桁架設がようやく完了した。多摩川渡河部の長さ602.55mのうち、約半分以上を架け終わった。
羽田連絡道路の事業は、再開発が進められる羽田空港跡地の「羽田グローバルウイングズ」と、川崎市殿町地区の「キングスカイフロント」の連携強化や活性化につながると期待されている。多摩川渡河部と川崎市側のアプローチ部は、五洋建設・日立造船・不動テトラ・横河ブリッジ・本間組・高田機工JVが上下部一括で設計・施工を担っている。
橋は多摩川渡河部の鋼3径間連続鋼床版箱桁(複合ラーメン)と、川崎市側のアプローチ部の鋼2径間連続鈑桁から成る。台船架設は、多摩川渡河部の中央径間と左岸側の側径間で合計5回実施。1回目は3分割した中央径間のうちの1ブロックを19年9月に架設した。
しかし、同年10月の台風19号の影響で多摩川に大量の土砂が堆積。東京湾から現場付近まで作業船が航行できなくなったため、五洋建設JVは河川内の架設工事を中断し、土砂を浚渫(しゅんせつ)した。これにより、2回目の台船架設は予定よりも約半年間遅れ、20年4月に再開したばかりだ。
その後、河川内に仮設したベントを併用し、20年6月に左岸側の側径間に当たる長さ66.9mの桁を架設。さらに7月21日には長さ42.5mの桁を継ぎ足した。残りの左岸側70.15mは、7月21日に架設した桁の端部からトラベラークレーンで張り出し架設する。この径間は堤防や環状8号線の上空に架かる計画だ。