
AIの研究・開発で圧倒的にリードし、国家・企業の競争力を高める――。この目的を達成するため、世界の先進企業・大学はAI分野の研究、開発、企画を担える人材の獲得・育成を急ピッチで進める。世界は「AIウォーズ」とも呼べる時代に突入した。
日本企業の全てが、AIに無関心ではいられない。本特集では以下のラインアップで、日本のAI人材の現状と、AI人材の確保に奮闘する企業の取り組みを明らかにする。
AIの研究・開発で圧倒的にリードし、国家・企業の競争力を高める――。この目的を達成するため、世界の先進企業・大学はAI分野の研究、開発、企画を担える人材の獲得・育成を急ピッチで進める。世界は「AIウォーズ」とも呼べる時代に突入した。
日本企業の全てが、AIに無関心ではいられない。本特集では以下のラインアップで、日本のAI人材の現状と、AI人材の確保に奮闘する企業の取り組みを明らかにする。
コンピューターサイエンス全般をきちんと理解していることはもちろん、新たな専門知識を素早くかつ貪欲に吸収できる能力が必要――国内切っての人工知能(AI)ベンチャーPreferred Networks(PFN)が求める人材の第一の条件がこれだ。
理化学研究所、日本IBM東京基礎研究所、中国マイクロソフト リサーチ アジア(Microsoft Reseach Asia)…。最先端で活躍する人工知能(AI)研究者が、著名な研究機関を後にして移籍するベンチャー企業が日本にもある。自動運転技術の開発を進めるアセントロボティクスだ。社員数が現在34人…
人材不足をものともせず、高スキルのAI人材を次々と獲得している企業がある。国内でAI導入を受託するスタートアップ企業だ。欧米企業にも負けないという人材獲得の奥義を公開しよう。
パソナテック 代表取締役社長 吉永隆一氏に聞く
AI(人工知能)を活用する製品開発競争が世界規模に展開される「AIウォーズ」時代に突入するなか、その勝敗を大きく左右するのが人材の確保だ。特に日本が得意とする自動車、電機などの「組み込み業界」では、圧倒的なAI人材不足が指摘されている。その最前線は今、どのような状況になっているのか。エンジニアの派遣…
「当社が受託するハードウエアの設計案件は、今やほとんどがFPGA(回路構成を自由に変更できる半導体)がらみ。とにかく開発人材が足りない」――。こう語るのは、OKIアイディエス(群馬県高崎市)で代表取締役社長を務める穴田則明氏だ。沖電気工業(OKI)グループの同社は、情報通信機器や映像機器、FA(フ…
「機械学習の経験が全くない技術者が、3カ月程度で製品搭載レベルの認識システムを開発できた」(ソニー システム研究開発本部 要素技術開発部門 AIコア技術開発部 7課 シニアマシーンラーニングリサーチャーの小林由幸氏)――。機械学習をはじめとするAI(人工知能)を事業に活用すべく、企業が人材獲得に奔走…
トヨタ自動車がAI人材の大量獲得へ、なりふり構わず攻めている。自動運転、AI、コネクテッドカーの開発に必要な人材を集めるため、業種問わず技術者をターゲットにしたネット広告を大量に投下。自社の採用サイトへ誘導している。
オムロンは2017年4月から全社プロジェクトとしてAI人材の獲得に乗り出した。同社技術・知財本部の浜崎秀泰課長は「毎年数十人の規模で採用を進めたい」と話す。
パナソニックは2022年までにAI人材を1000人増やす計画を明らかにしている。同社のAI人材は2017年11月時点で約150人。5年をめどに約7倍に増やす計算だ。
ダイキン工業は2017年12月5日に社内育成プログラム「ダイキン情報技術大学」を開講した。同社の研究開発拠点「テクノロジー・イノベーション・センター」内で講座を開く。
「これからは、いかにAI人材を確保できるかどうかが企業の競争力を左右するようになる」。LIXILの小和瀬浩之理事 Chief Information Officer(CIO)兼 情報システム本部長は危機感をあらわにする。
「自動運転の技術開発プロジェクトに必要なAI人材は、常に足りていないのが現状だ」。こう話すのはデンソーの川原伸章先端技術研究所長だ。
100人、400人、500人……。企業向けシステム構築や個人向けネットサービスなどを手掛けるIT企業を対象にアンケートを集計すると、AI人材の不足規模は他業種とは桁が違うことが分かる。1000人を超す人材の不足を訴える企業も複数ある。
実際の開発プロジェクトに参加させることで社員をAI人材として育成。同時に、ITベンダーや人材派遣会社などを通じて外部からの人材獲得も模索する――。日経コンピュータが実施したアンケート結果から見えてきた、流通業や金融業といった非製造業(IT以外)のAI人材育成策だ。
自動運転技術の開発にまい進する自動車メーカーを筆頭に、製造業でのAI活用のスピードは加速する一方だ。工作機械の故障予知、生産効率の改善からマーケティング精度の向上まで、幅広い分野でAIへの取り組みが始まっている。
「最先端AIの研究・開発を進める人材が、日本では絶対的に不足している。この状況が続けば、日本企業や国家そのものの競争力が低下してしまう」。AI研究で著名な東京大学大学院工学系研究科の松尾豊特任准教授はこう指摘する。