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フリマアプリを手がけるメルカリの金融子会社であるメルペイは2019年2月20日、「MERPAY CONFERENCE 2019」を開催した。三井住友カードやジェーシービー(JCB)、KDDIと提携を発表。先駆けて開始した非接触型決済サービス「iD」への対応に加え、同年3月中旬をめどにQRコードやバーコードの決済に対応すると発表。合計で135万カ所で利用可能にする予定だ。

また、銀行口座との連携も開始。今後60行以上まで提携銀行が拡大する予定を示した。メルペイが設立されたのは2017年11月。日経FinTechでは2018年1月に代表取締役に就任した青柳直樹氏をインタビューしている。

当時描いていた構想から大きく方針転換した部分もある。また発表会後、青柳氏の発言に対して一部批判も寄せられている。2度のインタビューを通じ、改めて青柳氏がメルペイで描こうとしている世界について話を聞いた。


2017年11月にメルペイを設立し、2019年2月にサービスを開始するまで1年3カ月かかった。この間の環境変化をどう見ているか。

メルペイ代表取締役社長の青柳直樹氏
メルペイ代表取締役社長の青柳直樹氏
(撮影:山田 愼二、以下同じ)
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 まずは、ようやく我々もリリースできたという点を素直に喜びたい。2018年は仮想通貨の事件も発生し、業界全体としてセキュリティーやコンプライアンス体制の構築に注目が集まった。我々の中でも、外部環境を踏まえた上で体制構築への認識が徐々に高まっていった。

 メルカリは2018年6月に東証マザーズへ上場した。社会の公器として責任を果たさなければならない。メルペイとしても、万全な体制構築への投資を怠るわけにはいかなかった。

 構想を固め、人を採用し、チームを編成する。内部監査やマネーロンダリング対策、セキュリティー、リーガル対応など、様々な職種で金融出身の経験者を採用していった。

 メルカリには1200万人以上の顧客がいる。それだけの顧客数が利用するウォレットを作るということは、相当に万全な体制が求められる。サービス開発そのもの以上に、セキュリティーやコンプライアンス体制の構築に時間がかかった。

 競争環境という点でいえば、追い風が吹いている。加盟店と話をしていても、大きな加盟店は既にPOS(販売時点情報管理)システムの改修へ前向きだ。多様なプレーヤーが登場しているからこそ、メルペイも導入しやすい環境が整っている。この点で非常に救われている。