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 イダテンベンチャーズ(IDATEN Ventures、東京都港区)は製造業、物流業のスタートアップ企業を投資対象とする独立系のベンチャーキャピタル(VC)である。代表パートナーの足立健太氏は、リクルート、KPMGグループ、デジタルガレージなどを経て、2014年からスタートアップ支援会社のミスルトウ(東京都港区)でベンチャーキャピタリストとして活躍。2017年10月10日にイダテンベンチャーズを設立した。投資対象として製造業や物流業を選んだ理由などを足立氏に聞いた。

(聞き手は神近 博三、大石 基之=日経 xTECH)


投資対象を製造業、物流業とした理由は何か。

 IoT(Internet of Things)は「モノがインターネットにつながる」と言われることが多い。私はそれと同時に、IoTによってインターネットがリアル空間のモノを触るための身体(からだ)を手に入れたと考えている。だが、身体を持ったインターネットの受け皿となる産業がリアル空間に無ければ、インターネットの影響はこれまで通りネットビジネスなどのネット空間中心になってしまう。製造業、物流業を投資対象に選んだのは、インターネットがIoTを通じてリアル空間にインパクトを与えるための新しい技術、サービスが必要になると考えたためだ。

イダテンベンチャーズ代表パートナーの足立健太氏
イダテンベンチャーズ代表パートナーの足立健太氏

 大手コンサルティング会社のアクセンチュア(Accenture、登記上の本社はアイルランド)が提唱する概念に「リビングプロダクト」がある。これはリリースした後も変化を続ける製品を意味しており、ネット経由でソフトウエアをアップデートできる自動運転車などが該当する。安価で必要最小限の性能を備えたマスプロダクト(大量生産品)をネット経由で素早くカスタマイズできるリビングプロダクトの時代がやってくると、質の良いマスプロダクトを作れるという日本の製造業の優位性はどんどん失われていくだろう。日本に軸足を置いて活動する以上、ネットとリアルを融合するリビングプロダクトの領域でリアル空間のものづくり企業が優位に立てるように支援していきたい。その対象には、ものづくり企業が材料を調達し、製品を流通させるための物流業も含まれてくる。

 あと、製造業へのこだわりには個人的なバックグラウンドも関係している。祖父、父が科学技術庁の長官表彰を受けたエンジニア一家に生まれ、私自身も早稲田大学の大学院で物理学をまじめに勉強してきた。幼いころから科学技術に関心があり、その思いを仕事に生かしたいと考えている。