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1時間125円で作業効率20%向上

 こういった状況がようやく克服できそうな目途が付きました。2018年に発売した「ATOUN MODEL Y(MODEL Y)」はリースで提供できます。4年間のリースの場合、1カ月当たりの費用は約2万円になります。この場合、1日8時間、20日間利用するとして1時間当たり約125円で利用できるようになります。

 想定用途は積み下ろしなどに従事する作業者の腰の負担の軽減で、その場合、作業効率が2割以上向上することが確認できています。8時間連続で同じ作業があれば良いのですが、そういった作業はめったにありません。1時間当たり125円のコスト増の捉え方は企業次第です。当社としては、ようやく費用対効果のバランスが取れる製品ができたと思っています。出荷数が多くなればさらに価格を下げられるため、普及にはずみがつくと考えています。

ATOUNが開発した「ATOUN MODEL Y」
ATOUNが開発した「ATOUN MODEL Y」
重量物を抱えた時にかかる腰への負担をアシストスーツの腰部に搭載したモーターによるアシストで軽減する。アシストする作業以外では、できるだけ装着者の動作を妨げない構造にした。
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装着したままでバッテリー交換が可能
装着したままでバッテリー交換が可能
MODEL Yの2次電池。作業者がアシストスーツを着用したままで電池交換ができる。Liイオン2次電池を採用している。連続稼働時間は4時間、中腰姿勢を補助するモードを使う場合は2時間となっている。
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MODEL Yの販売状況を知りたい。

 2018年の7月末に発売して、11月までに140台ほど売れています。そのうち納入したのは約110台です。2018年度内の販売目標は300台。海外展開がうまく進めば400台を見込んでいます。製品価格は約70万円(導入費と2次電池込み)。リースの場合は先ほどの通りです。MODEL Y単体でみれば十分に採算は合う状況です。しかし、他の製品や新技術の開発にかかる費用がありますから会社としてはまだまだこれから。ようやく第一歩といったところでしょうか。

 MODEL Yが当社で初めての普及モデルのアシストスーツになります。2015年に発売した「ATOUN MODEL A(MODEL A)」はまだ普及モデルとは言い切れない製品でしたが、機能に注目いただいたお客様に2年半の間に約300台売れました。当初の予想以上に売れましたが、1台100万円超必要でした。

 欧州での展開を見越して、MODEL Yは生活支援ロボットの安全性に関する国際規格「ISO13482」を2019年1月に当社の製品としては初めて取得しました。

今後、アシストスーツに搭載を予定する機能はあるか。

 重いものを持ち上げる時に腕をアシストする機能を開発しています。MODEL Yに追加できる形で提供する予定です。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援によって、要素技術の開発はほぼ完了しています。2019年には、一部の顧客の現場で実証実験を予定しています。

 ただし、製品化には課題があります。一番の課題はセンサーの品質です。制御のために、アシストスーツの着用者の指先にセンサーを取り付ける必要があります。このセンサーは研究開発用のデモ機による数百回の動作であればほぼ問題ありません。しかし、実用化する場合、数万回以上動作する品質を保証しなければなりません。壊れにくいセンサーの開発や、あるいは一定回数の使い捨て方式などを検討しています。