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ユーザー主導の導入競争が始まる

 現場作業者から取得したデータの活用に、私が知る中で一番興味を持っている業界はリサイクル業界です。全国に拠点を持ち廃食油などのリサイクルを手掛ける浜田化学と当社は提携しています注1)。浜田化学は作業者や環境データを使った作業環境の改善に積極的です。

注1)日経Roboticsの関連記事:関連記事ATOUNのアシストスーツを油脂リサイクル業者が導入、廃油や脂身の投入作業で負荷軽減 記事は日経Robotics購読者限定です。

 リサイクルは労働集約型の産業です。それでいて、機械化は難しい。例えば、オイルのリサイクルであれば、まずオイルを入れる容器が違う。同じ容器でも汚れや変形している場合があります。集める方法も異なるかもしれません。どうしても人の手が必要です。

 さらに、リサイクルの現場は既に人手不足です。どうしても3K、6Kのイメージが強い職場であるため人が集まらず、作業者は日本人だけでなく外国人も多い。

†3K、6K=3Kとは「きつい」、「危険」、「きたない」のこと。6Kは3Kに「給料が安い」、「休暇が少ない」、「格好悪い」を加えたもの。

 こうしたリサイクル業界では特に、アシストスーツに対する期待が大きくなっていると感じます。例えば前モデルで実証試験をしてその結果導入に至らなかった企業でも、新モデルが出ると再度実証してくれる企業が多い。人手不足の業界では何かしら手を打たないといけない。加えて、どこの業界でも先進企業は後々まで尊敬されます。だから、どこよりも先に導入したいというモチベーションが大きい。これまでのアシストスーツの導入はどちらかというとメーカー主導でしたが、ユーザー主導の競争が始まっています。

奈良県奈良市にあるATOUN本社
奈良県奈良市にあるATOUN本社
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