電動化が進む自動車業界。スーパーカーを作るイタリアFerrari(フェラーリ)も同じだ。同社は2025年に電気自動車(EV)を投入する予定で、2030年には販売の40%をEVにする方針を掲げている。フェラーリ・ジャパン社長のフェデリコ・パストレッリ氏に、日本市場での電動化戦略について聞いた。(聞き手=伏木 幹太郎)
自動車が電動化へと向かう中で、今後フェラーリはどう変化していくのか。
フェラーリとしては、電動化を新たなステップと捉えて取り組んでいる。実際、2025年にEVの新しいモデルの投入を計画中だ。2026年には全世界の販売台数の60%を電動車、40%を内燃機関のみの車両にするという目標を掲げている。そして、2030年にはEVだけで40%、プラグインハイブリッド車(PHEV)を含むハイブリッド車(HEV)が40%、内燃機関車が20%になることを目指している。
2030年に世界販売の40%標は野心的だ。日本でも同じか。
日本も同じである。日本はフェラーリにとってトップクラスの市場だ。日本の販売状況が世界全体の販売目標にも非常に大きなインパクトをもたらすため、そういう意味でも日本だけ遅れるということはない。しっかりその目標に向かって取り組んでいく。
日本人の消費者は欧米に比べて新しいものを受け入れることに慎重な傾向がある。
その通りだ。顧客にも契約の時に試乗させてほしいとよくいわれる。試乗をした上で購入を決断する人が多い。
だからこそ我々も、体験の場をどんどんつくっていこうと考えている。そもそも、フェラーリ車のエモーショナルなところは実際に乗って、自分の生活の一部として体験してみないとわからないため、パワートレーンの電動化も実際に体験し、納得してもらいたいと思っている。
フェラーリは何を目的に電動化を進めていくのか。
現在の方向性として、今ある内燃機関車と比べたときに電動化は環境に健全な方向性であるということは間違いないと思う。そのため、フェラーリとしても真剣に電動化に取り組んでいる。できるだけエコフレンドリーな方向性を取り込んでいきたいと考えている。