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 クルマの価値がハードウエアからソフトウエアに移りつつあるなかで、変革を迫られているのがメガサプライヤーだ。標準化した部品を大量に供給することで成長してきた戦略は、ソフト時代にも通用するか。ドイツContinental(コンチネンタル)でCEO(最高経営責任者)を務めるNikolai Setzer(ニコライ・セッツァー)氏が約2年ぶりに来日し、日経Automotiveの単独取材に応じた。(聞き手は久米秀尚=日経クロステック/日経Automotive、木村雅秀=日経Automotive編集長)

コンチネンタルCEOのニコライ・セッツァー氏
コンチネンタルCEOのニコライ・セッツァー氏
2020年12月、49歳でCEOに就任した。(写真:宮原一郎)
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コンチネンタルは、さまざまな自動車メーカーの要求に対応できる標準品を用意するのが得意だ。標準品でスケールメリットを出していく戦略は、ソフト時代になっても変わらないのか。

 ソフト時代のクルマには、さまざまな階層がある。電気/電子(E/E)アーキテクチャーやその中核を担う統合ECU(電子制御ユニット)に対する要求は自動車メーカーごとに異なる。そこで動作させる機能やコンテンツの優先順位や開発に対する姿勢もばらばらだ。車室内で楽しむコンテンツ1つを例にしても、全て自前で開発したい自動車メーカーもあるし、当社のような1次部品メーカー(ティア1)に任せる顧客もいる。

 当社は1万9000人のソフト技術者を擁しているが、ニーズが多様化しているので、実はそれほど多くない。多様化する要求に対して個別に対応していてはすぐに人材不足になってしまう。

 だから、方向性としてはできるだけ標準化する。同じような仕事を何回も重複してやらなくていいように、そこは自前で用意しておく。そして、差異化につなげられるところは自動車メーカーごとに対応していく。

確かに、ソフトは自動車メーカーごとに仕様も異なるし、開発手法もばらばらだ。ある程度は共通化できるのか。

 メーカーごとに違う部分もあるし、共通の部分もある。例えば機能の部分。特に消費者が他社との違いを感じやすい部分は特徴をはっきり打ち出したい。ブランドの価値観を表現できるところなので。ただ、そのベースとなる基本的な部分は共通化できるものが多い。

クルマの価値がハードからソフトに移りつつあるタイミングを捉え、米Apple(アップル)や米Google(グーグル)をはじめとするITジャイアントが自動車市場に参入してきそうだ。台湾・鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)のような民生機器出身の企業もなだれ込み、自動車業界の競争が激しくなってきた。コンチネンタルはどう強みを打ち出していくか。

 当社は自動車メーカーにミドルウエアを提供していく。だから、アップルやグーグルのような、消費者との接点となるアプリケーションの開発を得意とする企業にもサービスを提供できる。もちろんハードを開発するメーカーも顧客となる。ミドルウエアの提供を通して、さまざまなソフトやハードを“つなぐ”役割を果たしていきたい。

2万5000人ものエンジン技術者をソフトなどの領域に配置転換をしていくことを2019年に発表した。進捗は。

 コンチネンタルは2021年9月にパワートレーン部門をVitesco Technologies(ヴィテスコ・テクノロジーズ)として分社化した。そこに在籍する技術者がどうなるかは、ヴィテスコに任せている。

 リスキリング(学び直し)に関して、コンチネンタルでは「ソフトウエアカデミー」というトレーニングの場を用意している。2019年のスタート以来、6000人以上が学んできた。ソフトだけでなく、関連するハードも理解することが重要だ。ソフトウエアカデミーは両方をトレーニングできるプログラムになっている。

 新型コロナウイルス禍でリモートワークになったこともあり、リスキリングを志望する技術者が増えた。オンラインでの参加も可能なので、学びやすいこともあったのだと思う。