米Microsoft(マイクロソフト)は、2020年9月にオンライン開催された「東京ゲームショウ2020(TGS2020)」に出展した。同社がTGSに出展するのは6年ぶり。日本市場の開拓や日本のゲーム開発者との関係性を一層深める意欲を見せた形だ。
Microsoftは2020年11月に次世代ゲーム機「Xbox Series X」と「Xbox Series S」の発売を控えており、ゲームサービスの強化に余念がない。例えば、同年9月から米国などを対象に、サブスクリプション型ゲーム配信サービス「Xbox Game Pass」の「Ultimate」プランにクラウド型のゲーム配信サービス(以下、クラウドゲーム)を追加。同年9月には米国の大手ゲーム企業で、「Falloutシリーズ」などのヒット作で知られるBethesda Softworks(ベセスダ・ソフトワークス)の親会社である米ZeniMax Media(ゼニマックス・メディア)を75億米ドルで買収するなど、活発な動きを見せている。
MicrosoftはXbox事業のアジア展開でどのような戦略を描いているのか。Xbox事業のアジア地域を統括するJeremy Hinton氏(Head of Xbox Asia)に話を聞いた。
TGSに久しぶりに出展した。
TGSに戻ってこられたことをうれしく思っている。TGSに合わせて、我々が考えるゲームの将来ビジョンを発表した。以前は、ゲームはデバイス(ゲーム機)が中心の業界だった。現在、プレーヤーが中心となり、彼らがいつ、どこで、どのようにプレーするかを最終的に選ぶ時代になった。そこで、Xbox事業としても、好きなゲームを好きな人と、好きな時間に好きなデバイスでプレーできるような環境づくりに注力してきた。Xboxのゲームをリビングにあるコンソール(ゲーム機)だけでなく、パソコンやモバイル機器でもプレーできるように環境を整えている。その最たる例がクラウドゲームだ。(米国では既にサービスを開始しているが)、21年前半に日本で開始する。
すべての家庭に4Kテレビはない、下位モデルは価格を重視
Series Xの下位モデルに相当するSeries Sを用意した理由は。
ユーザーの選択する自由を尊重したからだ。すべての家庭に(Series X が対応できる)4Kのテレビが存在しているわけではなく、必ずしもゲームユーザーすべてが(Series Xの価格である)4万9980円でゲーム機を購入できるわけでもない。どのような消費者にも最適な製品を提供したいと考えて、Series Sを設けた。(グラフィックス性能に違いがあるとはいえ、SSDを搭載していることから)高速なロード時間など次世代のゲーム体験を提供したいと思っている。