安全技術に力を入れていることで知られる自動車メーカーのスウェーデン・ボルボ(Volvo)。新型ワゴン「V60」の日本での発表に合わせて、同社のセーフティ・センターでディレクターを務めるヤン・イヴァーソン(Jan Ivarsson)氏が来日した。新型V60で初搭載となった安全機能や、2020年までに死亡者・重傷者ゼロという目標に向けた取り組み、レベル3を飛ばしてレベル4の自動運転機能の開発を進める背景について聞いた。
新型V60では、逆走してくる4輪車との衝突による被害を自動ブレーキで軽減する「City Safety-対向車対応機能」を世界で初めて実現した。この機能の開発では、どんな課題があり、どう解決したのか。
今回のV60では、City Safetyというコンセプトの中に、衝突回避とか衝突被害軽減といったさまざまな機能を盛り込んでいる。その中で重要なのは、何をもってプラス効果とするのか、誤検知による介入と見なされないためにはどうすべきか、といった点である。質問の逆走車に対する衝突被害軽減の難しさでは、逆走車が近づいてくるということをどの段階で検知しどのタイミングで介入すべきか、ということである。
本来であれば運転者が自らその状況を判断して運転しなければならないところを、もし早い段階で介入すると、運転者のいらつきや、思わぬ事故を招くということにつながる。あくまでも運転者が責任を持って運転しなければならない。どの段階で運転者がもう策を打てないと判断し自動機能を発動させるかが一番難しい。そのためには、通常の走行運転がどういうものかを理解することが重要になる。