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25年にシェア60%へ、強さは維持できる

CMOSイメージセンサーの市場シェアは、ソニーが50%で首位、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)が20%で2位と言われている。ソニーはこの強さを今後も維持できるか。

清水氏 2025年にはシェアを60%にするという目標を持っている。CMOSイメージセンサーはまだ技術的な進化が必要なので、研究開発(R&D)の力を緩めてはいけない。これが大前提だ。ピクセルウエハー、ロジックウエハー、アルゴリズムの3つのすべてを進化させていかなければならない。

 CMOSイメージセンサーはアナログ的な部分があり、デジタルのLSIとは違う。単純に画素を小さくするとか画素数を増やすというスペックの話ではなく、「比較すると確かにこちらの方が、ノイズは少ないよね」というような話である。「もっときれいな写真を撮りたいからノイズを減らしたい」「もっと暗いところでもはっきり写るようにダイナミックレンジを上げたい」というような画質の追求がある。

ソニーはCMOSイメージセンサーを作るときに、ロジックウエハーは社外から調達して組み立てるということだが、サムスンはおそらく自社でロジックウエハーもピクセルウエハーも作れる。この違いが競争力の差になり、サムスンが有利になってくることはないのか。

清水氏 最後はやはりコスト競争力だ。社外を使おうが、社内を使おうが、最終的に最高の歩留まりと、最高の品質と、リーズナブルなコストで作れれば十分に戦える。

(撮影:加藤 康)
(撮影:加藤 康)

ロジックウエハーは社外の強いファウンドリーで作った方が安くなる可能性もあるということか。

清水氏 その通りだ。ロジックは必ずしも最先端を必要としない。積層構造の面白いところだ。

 また、ロジックは、あまり高価なものを採用しなくてもよくなっている。先ほど言ったように、カメラの性能を高めるために、イメージセンサーの面積が大きくなっているからだ。

 もしイメージセンサーの面積が変わらない中で信号処理をもっと充実させたいということになったら、トランジスタをもっと詰め込むために、微細化を進める必要がある。65nmだと入らないから40nmにしましょうとか、40nmでも入らないから28nmにしましょうということになる。しかし、現在のイメージセンサーはそうではない。それが事実だ。

償却済みの生産ラインで、最も低いコストで作れるわけだ。

清水氏 そうだ。そのような状況に今はある。

新技術で差異化を図るアプローチは。

清水氏 例えば、ピクセルウエハーとロジックウエハーの接続に関する新技術がある。以前は、ピクセルの周辺にビアを作り銅で接続していた。これに対して、周辺に限らずどこにでも銅の端子を形成して接続できるようにした。配線を引き回すことなく直接接続できるため、格段に高速かつ低消費電力になる。われわれは5年ほど前に実用化した。

 この技術は意外と難しい。2枚のウエハーをきれいに貼らないと、周辺が不良になって、歩留まりが上がらない。競合他社も、できないことはないと思うが、高品質、高歩留まりで実現できているかどうか。まだ差があると思っている。

 それと、競争力としてはレンズなどの光学技術も重要だ。CMOSイメージセンサーでは光学技術が一緒に進化しないといけない。3年前や5年前は、CMOSイメージセンサーがこれほど速いスピードで進化していくとは想像していなかった。予想を超えるスピードで光学技術の進化も加速している。