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 ちょうど同じ時期の2017年1月、アップルはiOS 10.2.1をリリースした。このアップデートにより、iPhone 6sが突然シャットダウンする不具合も対処していたのだ。

 情報サイトTechCrunchの記事によると、iOS 10.2.1によって「iPhone 6sで80%以上、iPhone 6では70%以上の端末で突然のシャットダウンが減少している」とアップルがコメントしている。

 筆者は、バッテリーを交換しなければならないハードウエアの問題をソフトウエアで対処するなんてどうやったの、と思いつつ、以前からソフトウエアの会社だと強調していたアップルならではのスマートな方法だと感心し、それ以降はこの問題は頭から消えていた。

 そのときのソフトウエアでの対処の内容が、今回の「iPhone減速問題」ではっきりした。劣化したバッテリーに対してピーク時の性能を落とすことで要求する電力を負荷を減らし、シャットダウンを引き起こさないようにしていたわけだ。

今回の件で思い出したiPhone 4のアンテナ問題

 iPhoneの不具合で大きな話題となったことと言えば、筆者が思い出すのはiPhone 4のアンテナ問題だ。これはiPhone 4の持ち方によって電波の強度を示す表示(アンテナピクト)が著しく減少するというもの。スティーブ・ジョブズCEOがこの問題に関する記者会見で、持ち方を変えるかケースをつければよいと開き直りとも思える発言をしたことも批判された。

 その後アップルから破損していないiPhoneは購入から30日以内なら返品を受け付け全額返金、または「バンパー」と呼ばれるiPhoneの外周部のみを保護する(直に手が触れないためアンテナ感度が低下しない)ケースが無償で配布すると発表され沈静化した。

 この問題の原因は、当初はアンテナの実装にあるとみられていた。ところが、その後アップルは詳細な再調査をした結果、この問題の本当の原因はiOSの電波表示に関する計算式が間違っていることにあると発表した(Letter from Apple Regarding iPhone 4)。実際には電波が弱い状況でもアンテナピクトの本数が多く表示していた。持ち方によってアンテナピクトの本数が減ったのは、実はそれが正しい電波強度を示していたのだ。

 メディアが大きく報じたiPhone 4の受信感度問題のことを覚えていても、真の原因が計算式の間違いだと把握している人はあまり多くないかもしれない。

iPhone 4のアンテナ問題で注目された「バンパー」は、今ではiPhoneケースのジャンルとして確立。筆者はこのときからずっとバンパー派
iPhone 4のアンテナ問題で注目された「バンパー」は、今ではiPhoneケースのジャンルとして確立。筆者はこのときからずっとバンパー派
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