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自動化して結果が変わってはいけない

 「(2)ロボットによる業務プロセスが正しく回るか」では、人が行っていた既存業務とRPA導入後のロボットで自動化した業務を比較して、差異がないかを確認する。

 ポイントは2つある。1つめはロボットは自身の誤りを検知できないこと。2つめはロボットで業務を自動化した結果、作業手順が変わる可能性があることだ。

 1つめのロボットが自身の誤りを検知できない課題については、ロボットの仕様策定とテストの2段階で対応する。ロボットの仕様としては、人が判断すべきポイントでロボットが処理を止めるようにする。テストではその通りに正しく停止できるかどうかを確認する。

 従業員への給与振込業務を自動化する例を考えよう。振込金額や振込先情報が誤っていても、ロボットは処理を続けてしまう。これでは業務を正しく完了できない。そこで、人の判断を入れる必要がある、誤ってはならないポイントでロボットを停止させる。給与振込業務では、振込前にロボットを停止させて振込金額や振込先の整合性を人が判断する。その後、ロボットに振込業務の処理を行わせる。

 停止ポイントは仕様を策定する段階で業務フローから洗い出す必要がある。テストでは、想定通りにロボットが停止するかどうかを検証する。

 2つめの作業手順が変わる可能性があるという課題は、業務効率化やRPAの技術的制約が理由だ。業務効率化では、人が行っていた目視での確認業務をロボットにすべて肩代わりさせたりする。RPAの技術的制約では、紙で行っていた業務を電子データ化して業務を行うよう変更したりする。既存の作業⼿順をロボットが単純になぞるのではなく、作業の順番を変えたり、もともとの業務にはない⼿順を加えたりする場合があるのだ。

 業務を人が行った場合でもロボットが行った場合でも、アウトプットは原則として同じでならなければならない。ロボットによる業務結果の正しさを確認するため、人が業務を実施したアウトプットとロボットが業務を実施したアウトプットを突合して検証すればいい。

ロボットによる業務結果の正しさを比較検証で確認
ロボットによる業務結果の正しさを比較検証で確認
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 アウトプットの確認対象は出力画面、出力帳票、出力ファイルの3つ。それぞれについて、内容と処理ステータスが一致しているかどうかを比較検証するテストを実施する。従業員への給与振込業務を例にすると、振込結果を人による実施時とロボットによる実施時で比較する。

 比較検証では、定常的に発生する手順のほか、不定期に発生する非定常の手順もテストを実施する。例えば月次業務では、通常よりもデータ量の多い月、データや業務手順が通常とは異なる月がある。代表的な月を選択して比較検証を行うとよいだろう。