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ざっくりとした見積もりがトラブルを招く

 構成管理に失敗しないようにするには(1)構成管理工数の認識、(2)運用フローの整理、(3)アーキテクチャーの整理といった3点の対策が重要となる。

 1つめの構成管理工数の認識は、工数見積もりの段階での課題だ。構成管理は役割が多いのに、それに見合った工数を割り当てられていないケースが多い。ざっくりとした見積もりで見切り発車しがちだし、往々にして工数が不足している。人員や予算が不足していると、構成管理が十分に整備されなかったり、整備が遅れたりといった事態になる。

 構成管理は開発とは異なり、直接的な成果物を生み出さない。プロジェクトを支える補助的な役割を果たす。そのため、「管理工数はプロジェクト全体の規模や成果物に対して何%」といった見積もりを行うプロジェクトマネジャーが多い。こうしたざっくりとした見積もりでは、構成管理の役割を明確にしておらず、どういった作業内容があるのかも想定していない。

 前述したように、構成管理は早い段階で方針を決めて仕組みや体制を整備すべき事項である。これができているか否かは成果物の品質すら左右する。作業をボトムアップで洗い出し、工数の積み上げで見積もりを行ったほうがいい。

 筆者が過去に経験したプロジェクト事例から構成管理作業の一例を以下に挙げる。

要件定義フェーズ
・構成管理の方針
・運用フローの整理
・使用する構成管理やプロジェクト管理ツールの選定

基本設計フェーズ
・ツールの導入
・作業手順の整理
・コンティンジェンシープラン(リリース障害時の対応、エスカレーションフローなど)の整理

開発・単体テストフェーズ
・構成管理のルール、ビルドツールなどの開発者への展開
・マイルストーンごとのバージョン管理や日次ビルド環境展開

結合テストフェーズ
・各結合テスト環境の初期セットアップ(バージョン管理されている成果物のリリース)
・障害、仕様変更などの課題の管理
・課題管理に伴う各チームからの受け入れ申請の管理
・リリース申請の管理
・受け入れ、リリース作業

 こうした作業を洗い出して、明確な根拠を持って見積もりをできるようにしよう。構成管理の要員と作業工数をきちんと割り当てられれば、トラブルが起こる可能性を減らせるはずだ。結果としてプロジェクト全体の工数削減につながる場合もある。

 なお、プロジェクトの内容に応じて作業の要、不要が異なるし、同じ作業項目でも工数が変わってくる。経験の浅いプロジェクトマネジャーは社内有識者の意見を求めるのも重要である。