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失敗2 適用タイミングの誤り

 テスト自動化の適用タイミング(テストスクリプトを作成し始めるタイミング)も成否を分ける。よくある失敗が「早すぎる」というものだ。

 テスト対象となるシステムの画面遷移やデザイン、機能といった仕様が変更になった場合、テスト自動化を適用済みだとテストスクリプトの修正が必要になる。仕様が未確定な段階でテスト自動化を適用すると、テストスクリプトの修正工数(自動テストに限ってみると手戻り工数)が多くかかる。

 例えば、プロジェクト後半で工数がひっ迫しそうと考えて、リグレッションテストの自動化でテスト工数の削減に取り組んだとする。得てして、テスト自動化にできるだけ早く着手したくなる。しかし、こうした局面でテスト自動化に取り組む場合、システムの仕様がほぼ確定した状態でないとうまくいかない。

 仕様変更で画面レイアウトや表示内容などに大きな変更であった場合、テストスクリプトも大きく修正しなければならないためだ。最悪の場合、途中まで作成したスクリプトを捨て、一から再構築する羽目になる。

 システムの規模によるが、仕様が確定した機能からテスト自動化を適用して、未確定な機能には適用しないという判断が必要になる。リリースまでは仕様が確定している主要なテストシナリオのみにテスト自動化を適用し、その他の部分は手動テストで乗り切るというのも1つの手だ。テスト自動化はリリース後に段階的に適用する。

 テスト自動化は手段であって目的ではない。自動化に工数を多く取られて手動テストを十分に行えず、最終製品の品質を下げてしまうようでは本末転倒だ。