PR

失敗4 コーディング規約の欠如

 システムを構成するプログラムがテスト自動化を意識した書き方になっていないと、十分な効果を得られない。システム開発の上流工程でコーディング規約を整備する必要があるが、これが欠如していたりテスト自動化を意識したものになっていなかったりする場合が多い。

 上記は典型的な例だ。画面メニューやボタンといった画面上のオブジェクトに一意性のあるID(ユニークID)を振っていない。テストスクリプトでオブジェクトを指定するには、オブジェクトの文言や位置で指定することになる。ただ、これだとオブジェクトの文言、位置が変更になった場合にオブジェクトを正しく認識できなくなる。小さな修正であっても、その都度テストスクリプトの修正が発生する。

 各オブジェクトにユニークIDを付与しておくとテスト自動化をやりやすくなる。以下に上記の悪い例を改善した良い例を示す。

 このようにすれば、ユニークIDを頼りにするだけでオブジェクトを指定できる。自動テストスクリプトの実装も比較的に簡単だし、オブジェクトの文言や位置が変更になってもテストスクリプトの改修が不要だ。自動化テストの導入にかかる工数を少なくし、期間も短くなる可能性がある。プログラムの実装を始める前に、テスト自動化を見越したコーディング規約を定めておくといい。


 以上のように、テスト自動化を適用する前に、計画、ルールを定めると効果を最大化できる。すべての完璧な実践は難しくても、できるだけ心掛けると失敗の可能性を減らせるはずだ。

髙松 宗剛(たかまつ むねたか)
SHIFT
ビジネストランスフォーメーション事業本部 エンタープライズビジネスユニット技術支援グループ グループ長補佐 兼 Agile and Automation Function ファンクションマネージャー
髙松 宗剛(たかまつ むねたか) IT企業にて、8年にわたり官公庁系プロジェクトにおける要件定義から総合テスト工程の品質保証に従事。2016年5月にSHIFT入社後、アジャイル型開発、ウォーターフォール型開発のプロジェクトマネジメントおよびテストエンジニアを担当。現在は技術支援部門のグループ長補佐、アジャイル・自動化ファンクションマネージャーを兼任。 アジャイル型開発におけるQA支援およびプロセス改善、テスト自動化導入適用支援、炎上プロジェクト救済など、数多くのプロジェクトを推進している。