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STEP1 不具合の傾向を可視化する

 まずは、エンドユーザーからの問い合わせ情報をコールセンターや営業部門に共有してもらう。例えば、週次や月次で問い合わせ情報をExcelに一覧化したものを共有してもらったりする。開発部門の担当者はここから不具合情報を抽出する。ここでは「業務影響度」と「目に付きやすさ」で不具合を分類するとしよう。

 筆者は業務影響度を「高」「中」「低」の3段階で分類する。「高」はエンドユーザーの業務を止めてしまうほど重大な不具合だ。「中」は業務に支障はあるが代替手段がある不具合、「低」は業務に支障がない不具合である。

 また、目に付きやすさは「高」「低」の2段階で分類する。「高」は、誰もが実施するような操作で目に付く不具合。「低」は誰もが実施するわけではないイレギュラーな操作や、複雑な入力パターンやデータパターンに限定して発生する不具合となる。

 この2軸で分析して、以下のような表を作成する。このように不具合を分類すると、業務影響度に関わる不具合が多いのか、ユーザーの目に付きやすさに関わる不具合が多いのか、傾向を可視化できる。

不具合情報を分類した一覧の例
報告日対象機能不具合内容業務影響度目に付きやすさ
5/7給与計算処理給与計算処理実行画面の説明文が「処理区分を入力しあす」となっており誤字がある
5/7給与計算処理給与計算処理の実行ボタンを5回連打すると処理が異常終了する
5/8給与明細一覧条件A、条件B、条件CをAND条件で抽出条件に設定すると給与明細の一覧データが抽出条件よりも多く出力される
5/9給与明細一覧給与明細の一覧データが社員番号でソートされない

 上記の表は、給与計算パッケージを例にした。1番めの不具合は給与計算処理実行画面の説明文に誤字があるだけで、業務遂行上の支障がほぼない。業務影響度は「低」となる。ただ、給与計算実行画面を開いて説明文を見れば必ず目に付く不具合であるため、目に付きやすさは「高」となる。

 2番めの不具合は給与計算処理が異常終了するため、給与の通知や支払いができなくなる。これは業務影響度「高」となる。一方、目に付きやすさは低い。「実行ボタンを5回連打する」というイレギュラーな操作を行った場合だけに発生する不具合であるためだ。

 3番めと4番めの不具合は一覧出力後に手動で加工すれば業務を続けられるため、業務影響度は「中」となる。3番めは特定の抽出条件だけで発生するので目に付きやすさは「低」、4番めは給与明細一覧で常に発生するので目に付きやすさ「高」となる。