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個別テスト計画書に書くべき項目

 では、個別テスト計画書には何を記載すべきなのか。ここでは、テストの標準文書のドキュメント体系「IEEE 829-1998*」を参考に解説しよう。IEEE 829-1998のテスト計画書の項目には、以下の図に示したような16個がある。

*IEEE 829は2008年に改訂版が出ている。ただ、実務では1998年版を使う場合が多いため、ここでは1998年版を利用して解説する
IEEE 829-1998のテスト計画書の項目
項目記載する内容
テスト計画識別番号バージョン番号
はじめにテストの目的や戦略
テストアイテムテスト対象のシステム・ソフトウエア
テストすべき機能テスト対象の機能
テストしない機能テストしないと決めた機能をその理由
アプローチテストの進め方
テストアイテムの合否判定基準テストアイテムの合否を判定する基準
中止/再開基準テストを一時中止する基準と再開の基準
テスト成果物作成・保守するドキュメントやツール
テストのタスクテストで必要な作業(準備を含む)
環境要件テストを実施する環境
責任範囲職務と主要な担当者
要員計画とトレーニング計画必要な要員の数とスキル
スケジュールマイルストーンとそこまでのスケジュール
リスクと対策テストにかかわるリスクと対策
承認計画の承認者の署名

 この中で特にテスト設計に大きく影響するのが「テストアイテム」「テストすべき機能」「テストしない機能」「アプローチ」の4項目だ。具体的な記述例を挙げて詳しく説明しよう。

 テストアイテムには、テスト対象のシステムまたはソフトウエアを記載する。複数バージョンをサポートするソフトウエアでは、どのバージョンをテスト対象とするのかも明記する。「○○○アプリのバージョン番号1.1.1と1.1.2をテスト対象とする」といった具合だ。OSやブラウザーなど、ソフトウエアがサポートする環境も明記する。

 個別テスト計画書の場合、対象となるテストレベルのテスト単位も記述しておくとよい。単体テストであれば、「関数」や「クラス」といった形になる。

 テストすべき機能には、テスト対象の機能を記載する。例えば「商品検索機能、商品購入機能はテスト対象機能とする」といった具合だ。

 テストしない機能には、テストしないと決めた機能とその理由を記載する。例えば「修正が入っておらずバグ混入の可能性が低いため、ユーザー管理機能はテストしない」といった具合である。

 アプローチには、どのような種類のテストを誰がいつ実施するかテストの進め方を記述する。例えば「ピーク時想定の負荷をかけて、オンラインレスポンスとリソース状況を確認するテストを、インフラ担当者とテスト担当者にて結合テストで実施する」といった具合だ。特定のテストツールを利用する場合は明記しておく。

 これ以外の項目もテスト計画の重要な要素となる。必要に応じて自分のプロジェクトのテスト計画書に取り入れてほしい。例えば、機能テスト、性能テスト、障害回復テストではテスト環境が異なる場合がある。そうしたケースでは「環境要件」をテスト種類ごとに明記する。

 各項目に書くべきことを明確にした上で、組織やプロジェクトで規定されたフォーマットに沿ってドキュメントを記述する。