専門記者ならではの視点で製品やサービス、業界の動向に切り込みます。

記者の眼
目次
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事業所データ整備を中断したデジタル庁、「撤退」の次こそDX司令塔の真価が決まる
デジタル庁が注力分野の1つとして取り組んでいる、法人や国土など日本の公的基礎情報をデータベース化する「ベース・レジストリ」事業。このうち事業所のデータを整備する事業の中断を決め、デジタル庁は2022年3月下旬から順次、調達の取りやめを告示した。
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最後もサプライズ、「破壊者」NTT澤田体制の4年
筆者は、澤田氏が社長在任のこの4年、前半は日本経済新聞社の通信担当記者として、後半は日経クロステックの副編集長として、澤田氏を何度も取材してきた。海外事業の再編に始まり、IOWN構想の発表、NECとの資本業務提携、NTTドコモの完全子会社化、そして直近のNTTデータによるNTTリミテッド統合など、…
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MVNOではiPhoneが遅くなる?モバイル通信にはびこる迷信
キャリアに比べてMVNO(仮想移動体通信事業者)ではスマートフォンの通信速度が遅い──。これは一面では正しいが、一面では誤りといえる。MVNOのほうが、通信速度が遅くなる原因にはいくつか考えられる。だが、ちまたで取り沙汰される原因の中には、「迷信」と呼ぶべきものもある。
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ハザードスイッチの場所を気にしたことがありますか
クルマを運転しているときに、ハザードスイッチの設置場所を気にしたことがありますか。路肩に駐車するときや高速道路で渋滞の最後尾についたときなどに、ハザードランプを点滅させるスイッチのことです。緊急時に使うこともあるため、押しやすい場所にあることが重要になります。
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明治神宮外苑の再開発事業、国立競技場の二の舞い防ぐために一旦立ち止まりを
三井不動産と明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事の4者が進めている明治神宮外苑地区の市街地再開発事業に対して、日本イコモス国内委員会や市民グループなどから、計画の見直しを求める声が上がっている。争点の1つが、この再開発事業が明治神宮外苑内にある既存樹木を大量に伐採、移植する点だ。
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本社ビルに社名ロゴはもう掲げない、BIPROGY社名変更プロジェクトの裏側
34年間続いた日本ユニシスという社名がBIPROGYになって約1カ月。旧社名からまったく異なる社名へと変えるプロジェクトは大変だったのではないだろうか。実際の浸透具合も気になる。裏側を聞いてきた。
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技術以外に日本の宇宙産業に必要な「一押し」
人工衛星の開発を手掛けるアクセルスペースが、小型人工衛星の「量産化」に挑む。一般的に2年程度を要すると言われる小型人工衛星の納期を、1年未満に短縮するという。2022年4月26日、短納期での小型人工衛星の開発を含め、打ち上げや運用などをパッケージ化したサービス「AxelLiner」を発表した際、同…
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シビックテック、地域に根ざした課題解決の手段になるか
市民がテクノロジーを活用して、社会や地域が抱える課題の解決を目指す取り組みを「シビックテック」という。今、国内各地域でシビックテックが盛り上がりを見せる。各地域での関連イベントは課題を共有する場として、地域の課題解決の糸口になる可能性を秘める。
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半導体不足の舞台裏、奮闘するサプライヤー
半導体不足が長期化するなか、半導体のサプライチェーン(供給網)を構成する商社や装置メーカーが安定供給に向けた孤軍奮闘を続けている。商社の営業マンは顧客メーカーとの交渉に走り回り、装置企業の担当者は部材調達や設計変更に力を入れる。スポットライトが当たることが少ない現場に記者が迫った。
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核融合炉の中核部品は日本とロシアが独占 夢を見た欧州は後手に
世界各国で核融合炉開発の動きが活発化している。核融合炉は原子核同士を反応させ、そこから飛び出した粒子が保有するエネルギーを回収する構造物のことで、気候変動問題を解決する一助になると、技術開発に対する期待が日々高まっている。まだ実験段階であるものの、日米欧中露などといった国と地域による共同プロジェク…
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DXは立ち止まらない、ウクライナ侵攻でも成長するIT組織
最近、ウクライナに関連して2社から話を聞く機会があった。両社とも自国以外の国・地域に多く拠点を持つDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を手掛けるIT企業である。成長を支えるチームや組織がどういうものかが興味深いので紹介したい。
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特定エリアの車両を高速検索、トヨタとNTTグループが独創技術
トヨタ自動車とNTTグループは、コネクテッドカー(モバイル通信の機能を備えた車両)向けのICT(Information and Communication Technology)基盤の構築に向けて、共同で技術検討と実証実験に取り組んでいる。その取り組みの中で開発したのが、特定エリアに存在する車両を…
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高機能化するハイテク玩具、日本の競争力に期待する新市場
「ハイテク系トレンドトイ」と呼ばれる分類の玩具の高機能化が進んでいる。玩具に見られるようなエンターテインメント性やゲーミフィケーションの要素がソフトウエアや電子機器に応用され始めている今、実用性とエンターテインメント性が融合した新たな市場が生まれる可能性がある。
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「世界一」PCR検査試薬工場 新型コロナからがん検査へ飛躍なるか
新型コロナウイルスの感染を判別する手段として急速に広まったPCR検査。この猛烈な追い風を受けて成長したのが千葉県松戸市に本社を置くプレシジョン・システム・サイエンス(PSS)だ。同社はPCR検査の前処理である遺伝子抽出に使う試薬や全自動のPCR検査装置の開発・製造を手掛ける。2022年4月21日に…
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内幸町1丁目街区の戦略担当に海外事務所を起用、国際感覚豊かな「場づくり」に期待
2030年代最大規模になると目されている再開発事業が「内幸町一丁目街区開発プロジェクト(仮称)」だ。2022年3月に開かれた会見では、計画詳細の他に、マスターデザイン・プレイスメイキングストラテジーを英国の設計事務所PLPアーキテクチャーが担当していることも公表された。経緯を同社の駐日代表に聞いた…
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水を制して「熱海土石流」の二の舞いを防げ
梅雨が近づいてきた。毎年のように繰り返される豪雨による土砂災害。2021年は、静岡県熱海市で土石流が発生し、30人近くが犠牲になった。
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日本は「プラットフォーマー不在」、野村とテンセントの調査で見えたデジタル後進性
システム関連の取材はそれぞれ別の話題でありながら米企業に申し込むことが多い。筆者が前回特集で取材したシステム監視に関するユーザー事例は日本企業が中心だったが、利用するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の提供企業は全て米企業だった。
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バイクブームに冷や水、予防安全技術は「邪魔な存在」か
「久しぶりにブームが来たのに、このままだと早々に終わってしまうかも……」。うなだれるのは、ある国内二輪車メーカーの関係者だ。明るい話を聞きに向かった「第49回 東京モーターサイクルショー」(2022年3月25~27日、東京ビッグサイト)で出会ってしまった。
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孫正義氏の秘蔵っ子「ペッパー」が心配、鮮烈デビュー時と今の落差
ソフトバンクグループの孫正義氏がヒト型ロボット「Pepper」を初披露して約8年が過ぎた。現在は新型コロナ禍の影響もあり存在が薄くなった感もあるが、人気復活の端緒をつかめるか。
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さらばASIMO、表舞台からの引退に一抹の寂しさ
日本のロボットの歴史に、ひとつの幕が下ろされた。2022年3月末、ホンダの人型ロボット「ASIMO(アシモ)」が日本科学未来館における動作デモンストレーションを終了し、同館からの「卒業」が発表されたのである。