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 「DX人材」が人気だ。文字通り企業や組織のデジタルトランスフォーメーション(DX)を率いる人材で、DX熱の高まりを背景に採用や育成に取り組む企業が増えている。民間企業に加え、霞が関の中央省庁も相次いでDX人材の公募を開始。獲得競争が激化している。

 DX人材人気の高まりは、人材サービス各社が集計した求人の状況からも見て取れる。ビズリーチによれば同社の転職サイトにおける「DX関連求人」は、2018年1~3月を1とすると2020年7~9月には2.46に増えた。同社サイトにおける求人全体の指数1.54を上回る。

 全求人の増減の影響を除いたDX関連求人の実質増加率も高い伸びを示している。2019年1月から2020年11月にかけて3カ月単位の実質増加率を前年同期と比べると、各期間とも16~24%増で推移しているという。リクルートキャリアも同様の結果を発表している。

DX関連求人指数の推移
DX関連求人指数の推移
(出所:ビズリーチ、以下同)
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そもそもDX人材とは?

 ただ、記者はDX人材やデジタル人材に何とも言えないモヤモヤした感覚を2つ抱いている。1つはDX人材像そのものだ。DX人材とはどういった人材を指すのか、どのようなスキルや経験が必要なのか、どんな役割を担い、従来のIT人材と何がどう違うのか。このあたりの素朴な疑問が拭えないでいる。

 「顧客向け事業や社外向けシステムを主に担当するのがDX部門、社内向けの業務やシステムを主に担当するのが従来のIT部門だ」。こうした役割分担を聞くことがある。ならばDX人材に求められる役割については、部門の役割分担に従うと考えることができる。