「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)のメイン会場となったラスベガス・コンベンション・センター(LVCC)。その広大なホールの中でひと際存在感を放ち、黒山の人だかりとなっていた一角がある。韓国Samsung Electronics(サムスン電子)や韓国LG Electronics(LG電子)、韓国SKなどの韓国企業が出展するエリアだ(図1)。
会期4日間、記者はいろいろなホールを見て回ったが、これら韓国企業の展示は、敷地面積やリッチ感で群を抜いていた。単に豪華なだけでなく、自社の明確なビジョンを掲げて、それを分かりやすく説明するための空間を演出。人々の目を引きつけ、足を運ばせていた。商談ばかりでなく報道関係者をはじめ情報収集に来る人の姿も多くみられた。
中でも記者の印象に残ったのがSKのブースだ。同社は電池や小型原子炉など40以上の脱炭素テクノロジーを紹介。電池の製造プロセスや二酸化炭素(CO2)の収集・貯留技術などをアニメーションによって説明していた(図2)。これは韓国HD Hyundaiも同じで、「Ocean Transformation」というテーマを基に、海での取り組みをロボットなどで紹介した(図3)。もちろん説明員に尋ねると、専門的な技術についてもよどみなく教えてくれる。
2社とも、BtoB製品なのに一般向けを強く意識した展示であることが意外だった。つまり顧客の法人ユーザー以外にも、その他の産業界や、メディアを通じて大衆にも情報伝達し、CESで広く自己アピールをしているのだ。