「寄付」と聞いてどんなイメージを持つだろうか。「お金に余裕があれば参加してみたい」「普段の生活で意識することはない」「実際にどこまで役に立っているのか疑問だ」など、様々な意見があるだろう。
近年、ブロックチェーンの登場により寄付の在り方が変わろうとしている。より迅速に、より手軽に、そしてより安全に必要とされている人を援助できるようになりそうだ。通貨の流れと社会の動きは一心同体。寄付行動の変化は社会を変える可能性も秘めるといえる。
広がりつつあるのが仮想通貨による寄付だ。交換所大手のBinanceは2020年1月9日、オーストラリアで発生した森林火災に対して100万ドル相当の仮想通貨を寄付すると発表した。同社は2018年の西日本豪雨の際にも約140万ドルの寄付を仮想通貨で集めた。
ユニセフ(国連児童機関)も2019年10月9日、国連機関として初めて仮想通貨による寄付の受け入れや援助を担う「ユニセフ仮想通貨ファンド(UNICEF Cryptocurrency Fund)」の設立を発表している。日本でも交換所のフォビジャパンが沖縄県首里城の火災復旧支援のため仮想通貨で寄付を募っている。
仮想通貨で寄付をする大きな利点は、ブロックチェーン上に取引(トランザクション)を記録することによる「透明性の担保」と、国際送金や仲介業者に支払うために必要な「送金コストの削減」だ。しかし、受け取り側が仮想通貨での支払いに対応している必要があったり、法整備が追いついていない面があったりと課題も残る。
そんな中、「ブロックチェーン×寄付」でユニークな取り組みを始めようとしているのがスタートアップのソーシャルアクションカンパニーだ。2020年中に30歳未満の若者を対象とした「寄付体験プログラム」を始める予定である。