物流拠点では自律型ロボットが動き回る
なぜこのようなサービスが可能なのか。その秘密は、自律型ロボットを大々的に導入した物流拠点にある。注文から箱詰めまでの流れを見てみよう。
まず、デザイナーがマテリアルバンクジャパンのウェブサイトで建材を選び、サンプルを注文する。すると注文情報は独自のアルゴリズムで処理され、自律型ロボットにピッキングの指示を出す。指示を受けたロボットは、障害物を避けながら倉庫に向かって移動する。
この自律型ロボットは、物流ロボット大手の米Locus Robotics(ローカスロボティクス)が展開するLocusOriginという機種だ。同社のリック・フォークCEOは「倉庫内でピッキングを担う人の歩行距離を最小にするようにロボットを移動させ、作業を効率化できる。歩行距離が減れば、安全性も向上する」と説明する。
倉庫にいるピッキング作業担当者は、ロボットのディスプレーに表示された品番や個数などの情報に基づいて建材サンプルを棚から取り出し、バーコードを読み込ませてからロボットに載せていく。間違ったサンプルを選ぶとエラーメッセージを出して知らせてくれる。デザインフューチャージャパンの右澤詩恵COO(最高執行責任者)は「建材に関する知識や専門性がほとんどなくても正しくピッキングできる」と話す。
ピッキングが終わるとロボットは自動で梱包作業エリアに移動する。作業者はサンプルを受け取り、梱包作業を進める。「デザイナーが顧客にそのまま見せられるよう、見た目にも配慮している。壊れやすい立体物や色移りのする素材はボードに並べて熱圧着で包装し、配送トレーに詰める」(右澤COO)