最近PDA(携帯情報端末)を購入した。英プラネットコンピューターズ(Planet Computers)の「Gemini PDA」という機種だ。クラウドファンディングで資金を調達して、2018年上半期に出荷が始まった。これに出資していち早く入手した、新しもの好きなモバイラーもいる。2018年12月には、パソコンのパーツや関連製品を扱うリンクスインターナショナルが日本の販売代理店となった。これにより、今は国内の家電量販店などでも買えるようになっている。
Gemini PDAはQWERTY配列のキーボードを搭載したクラムシェル型のAndroid端末だ。サイズは171.4×79.3×15.1ミリメートル、約310グラムで、マルチタッチに対応する横長の5.99インチ(解像度2160×1080)のディスプレーを搭載する。メモリーは4ギガバイト、内蔵ストレージは64ギガバイトでmicroSDによる増設も可能だ。通信機能はWi-FiとLTEを備える。またUSB Type-Cポートが2つあり、うち1つは本体の充電にも使用する。バッテリー容量は4220ミリアンペア時となっている。
Gemini PDAの特徴はキーボードだ。キーピッチが14ミリメートルと、このサイズにしては広めで本格的。Gemini PDAのキーボードを見て、1990年代後半に売られていた英サイオンコンピューターズ(PSION Computers)の「PSION SERIES 5mx」を思い浮かべた人がいるかもしれない。似ていて当然で、プラネットコンピューターズのチーフデザイナーはサイオンのデザイナーだったという。そう言えば、PSION SERIES 5mxもキーボードが注目されていた。
実は筆者はその昔、PSION SERIES 5mxと、さらに小型の「Psion Revo」を使っていた。自宅を探すとPSION SERIES 5mxが見つかった。Gemini PDAと並べると、構造や打鍵感などの違いはあるが、キーボードがやはり似ていた。プラネットコンピューターズのCEO(最高経営責任者)は同社サイトで、1990年代のミニキーボード搭載PDAは非常に使いやすく、忠誠心のあるファンが何百万人もいたと解説。「Geminiは最新の通信機能と1日持つバッテリー、タッチタイピング(が可能なキーボード)と多数のアプリを提供する、手のひらに載るデバイスだ」とし、「キーボード・イズ・バック」と締め、往年のファンの心をくすぐる。