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 筆者はときどき、中国のEC(電子商取引)サイトである「AliExpress」で買い物をする。ご存じない方に簡単に説明すると、中国版の「楽天市場」といった印象だ。アマゾン・ドット・コムのように統一されたデザインで個々の店舗の存在感をなくしている感じはなく、それぞれ独自の店舗を構えている。同じ商品を多数のショップが取り扱っていて、検索すると多数表示される。決済は基本的にAliExpressが一本化している。こうしたECサイトの構成が楽天市場に似ている。

 AliExpressを使う理由は端的に言えば安いから。購入するのは電子部品が多く、国内のECサイトなどで購入するよりもいくらか安いことが多い。中国メーカーの公式ショップがAliExpressに存在することもある。国内のAmazon.co.jpやヨドバシ・ドット・コムのような即日配達は望むべくもなく、届くまでざっくり2~3週間くらい覚悟しなければならない。逆に言えばそれほど急ぎでもないなら、安く手に入れる手段としてAliExpressを考慮するといった感じだ。

電子部品は技適(技術基準適合証明)を気にしながら購入する。モジュールが技適を受けていれば、アンテナをいじっていない限り部品であれば問題ないはずだ。
電子部品は技適(技術基準適合証明)を気にしながら購入する。モジュールが技適を受けていれば、アンテナをいじっていない限り部品であれば問題ないはずだ。
(写真:日経クロステック)
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M5Stackの公式ショップもあってそこから購入した(スイッチサイエンスの金本社長、すいません)。
M5Stackの公式ショップもあってそこから購入した(スイッチサイエンスの金本社長、すいません)。
(写真:日経クロステック)
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M5Stackの公式ショップは現在はなくなっている。
M5Stackの公式ショップは現在はなくなっている。
(画像:日経クロステック)
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見るからに怪しい商品もある

 ただし怪しい物が売られていることも多々ある。例えばオーディオ関連では偽物が出回っているという噂をよく聞いた。またブランド品と称しているのもそこそこの確率で偽造品であると思う。まあ要するに、それほど信頼できるわけではないのだ。

 別の企画で一時的にLinux環境を作成する必要があり、少し速い外付けUSBドライブがあると便利かと思って探してみた。そうすると、いかにも怪しいのが出てきた。「M.2 SSD内蔵、500GBで956円」というのだ。ちなみに4TBで1747円。容量は128TBまであることになっている。

いかにも怪しいSSDが売られていた。
いかにも怪しいSSDが売られていた。
(画像:日経クロステック)
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 M.2のSSDというのはノートパソコンなどに内蔵されているSSDの規格で、M.2対応SSD自体はAliExpress内でも500GBで3000~4000円くらいはする。執筆時にAmazon.co.jpで調べたら、キオクシアの500GBのSSDがタイムセールで4930円で売られていた。

米Western Digitalの「WD_BLACK SN850X NVMe SSD」。M.2のSSDはこのような形状なので、細長いエンクロージャーであるのは正しい。
米Western Digitalの「WD_BLACK SN850X NVMe SSD」。M.2のSSDはこのような形状なので、細長いエンクロージャーであるのは正しい。
(出所:米Western Digital)
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 どの程度の偽物なのだろうか。好奇心が勝ってついつい購入してしまった。もしあまりにひどければこのコラムのネタにすればいいや、という気持ちもあったので踏み切ったのである。